2004 Fiscal Year Annual Research Report
せん断崩壊する鋼はり腹板のひずみ速度依存性と門形ラーメンの地震応答に関する実験
Project/Area Number |
16560422
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Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒造 敏廣 大同工業大学, 工学部, 教授 (90137175)
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Keywords | 鋼製橋脚 / はり腹板 / せん断座屈 / 地震応答 / オンライン実験 |
Research Abstract |
地震時に損傷すれば大きな変形速度を呈する鋼製ラーメン橋脚のはり中間部腹板に着目し,せん断力を受ける腹板の弾塑性性状に及ぼすひずみ速度依存性を実験で調べた.はり中間部腹板を純せん断力を受ける単一鋼板にモデル化し,せん断変形速度を種々変化させた実験を行った.本研究で実施した実験内容と得られた成果をまとめると,以下のとおりである. 1)せん断を受ける腹板供試体としては,1辺が200mmの正方形薄鋼板(SS400材)を用いた.鋼板の周辺にフランジ・プレート枠を溶接接合している.板厚t=1.3,2.3,3.2,4.5(幅厚比b/t=44〜150)の供試体を計32体製作した. 2)負荷,除荷,及び,応力緩和の組み合わせで,せん断変形角の時刻歴を設定し,それに対する平均せん断応力の応答を実験で求めた. 3)速度効果によるせん断応力の静的曲線からの上昇分をせん断余応力と定義し,実験から得られたせん断変形角速度とせん断余応力の関係を腹板の幅厚比別に片対数グラフに表した. 4)せん断余応力は初めて非弾牲域に入る処女履歴ループにおいて最も大きく現れた.繰り返しサイクル数が大きくなると,せん断余応力は一定値に収束する傾向が見られた. 5)幅厚比が大きくなると,せん断座屈波形や斜張力場の形成に起因して,せん断余応力の変動量にばらつきが見られた. 6)はり中央腹板がせん断崩壊する門形ラーメンの地震応答解析に応用するため,今後実験データをさらに蓄積し,ひずみ速度による余応力の変動をせん断変形角速度とせん断余応力の関係式として表す必要がある.
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Research Products
(4 results)