2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管反応性および受容体分布からみた脳の発達および進化過程の解明
Project/Area Number |
16580242
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮本 篤 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70219806)
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Keywords | 脳血管 / 血管反応性 / 受容体 / 鳥類 / 魚類 / 両生類 |
Research Abstract |
この研究は、様々な内因性血管活性物質の脳血管への反応性を魚類から哺乳類に至る動物で検討するものである。前年の結果に加え、爬虫類であるヘビの脳血管反応、哺乳類であるブタのアンジオテンシンに対する血管反応等を検討し下記の結果を得た。 1.名瀬保健所よりハブの脳血管を入手した。ノルエピネフリン(NE)およびセロトニンは、ハブ脳血管を収縮させたが、アセチルコリンおよびブラジキニンはその収縮を弛緩させなかった。ヒスタミンの反応は弱いか殆どみられなかった。 2.アンジオテンシン(Ang)IIは、ブタ脳血管を収縮させた。AT_1受容体拮抗薬のロサルタンはその収縮を用量依存性に抑制し、AT_2受容体拮抗約のPD123319は用量依存性に増強した。内皮細胞の除去は、ロサルタンの作用に有意な影響を及ぼさなかったが、PD123319の作用を消失させた。培養ブタ脳低動脈内皮細胞にAngIIを処置すると有意なNO産生がみられた。この産生はNO合成酵素阻害剤であるL-NAおよびPD123319で抑制された。以上のことより、ブタ脳低動脈平滑筋細胞にはAT_1受容体があり収縮に、内皮細胞にはAT_2受容体があり、NOを介して弛緩方向に作用していることが明らかとなった(Miyamoto, A. et al. Life Sci,2006)。 3.魚のコイの脳血管は、AngIIに対し収縮反応を示した。また、NEで弛緩反応がみられたが、β受容体拮抗薬であるプロプラノロールを処置すると収縮に転じ、さらにα受容体拮抗薬であるフェントラミン処置によりその収縮は抑制された。このことより、コイの脳血管にβおよびα受容体の存在が示唆された。 4.鳥類のニワトリの脳血管でみられるヒスタミンによる弛緩反応は、H_1受容体拮抗薬であるジフェンヒドラミンの影響は弱く、H_2受容体拮抗薬であるシメチジンで有意に抑制された。このことより、ニワトリの脳血管にH_2受容体の関与が示唆された。 現在、両生類であるカエルの脳血管の実験、哺乳類であるウマの脳血管の実験も進行中である。
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Research Products
(1 results)