2005 Fiscal Year Annual Research Report
重力変動(重力負荷、擬似微小重力)の破骨細胞の形成、活性化におよぼす影響
Project/Area Number |
16590094
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
川島 光太郎 帝京大学, 薬学部, 教授 (20124993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 洋一 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (50286978)
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Keywords | 重力負荷 / 擬似微小重力環境 / 破骨細胞 / RAW276.4細胞 / クリノスタット回転培養 / 副甲状腺ホルモン / 活性型ビタミンD_3 / プロスタグランジン |
Research Abstract |
宇宙の微小重力環境では骨組織が破壊される。この原因の一端は、骨形成を担当する骨芽細胞の機能の低下にあると言われている。しかし、骨破壊を担当する破骨細胞に対する重力変動の影響は明らかでなく、本研究で追求してきた。なお、擬似微小重力環境はクリノスタット回転培養により創造した。 16年度は、重力変動(重力負荷、擬似微小重力)が、マウス骨髄細胞の培養において、活性型ビタミンD_3(1α、25(OH)_2D_3)による破骨細胞の形成に影響を与えないことを示した。 17年度は、第一に、重力変動が、1α、25(OH)_2D_3以外の骨吸収促進物質(副甲状腺ホルモン、プロスタグランジン)による破骨細胞形成にどのような影響を与えるか、第二に、多くの細胞が混在する骨髄細胞とは異なり、RANKL刺激により破骨細胞へ変化する株化細胞(RAW276.4)を用いて、重力変動の破骨細胞形成に対する直接作用を調べる、第三に、ラット長管骨の培養による骨吸収系において、重力変動が、破骨細胞の活性にどのような影響をもたらすか、などを検討し、以下のことを明らかにした。 1、マウス骨髄細胞の培養において、重力変動(重力負荷、擬似微小重力)は、1α、25(OH)_2D_3の場合と同様に、副甲状腺ホルモン、プロスタグランジンによる破骨細胞形成に影響を与えなかった。 2、RANKL刺激によるRAW276.4細胞からの破骨細胞形成も、重力変動(重力負荷、擬似微小重力)によって影響を受けなかった。 3、重力負荷は骨吸収活性に優位差のある変化を与えなかった。 すなわち、重力変動(重力負荷、擬似微小重力)は、種々の刺激による破骨細胞の形成に全く影響を与えないこと、さらには、破骨細胞の活性化にも影響を与えないことを明らかにし、宇宙空間での骨破壊には破骨細胞の貢献は少ないことを示唆することとなった。
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