2004 Fiscal Year Annual Research Report
成人に対する臍帯血移植後のヒトヘルペスウイルス-6感染の臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
16590978
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
友成 章 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30323645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 聡 東京大学, 医科学研究所, 講師 (60226834)
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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Keywords | 臍帯血移植 / ヒトヘルペスウイルス6 / 移植片対宿主病 / 白血病 / PCR / 脳炎 / 生着不全 / サイトメガロウイルス |
Research Abstract |
ヒトヘルペスウイルス-6(HHV-6)は、同種造血幹細胞移植後に肺炎、脳炎などの種々の感染症の原因となる。少数の小児例では臍帯血移植(CBT)後にHHV-6の再活性化が比較的高率であると報告されている。本研究の目的は、当施設でCBTを施行された成人患者を対象として、経時的に採取された血清中のウイルスDNAを高感度のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるアッセイ系で定量することにより、CBT後のHHV-6の再活性化の時期と頻度を決定することである。 まず最初に2000年10月から2003年6月に当施設でCBTを受けた18才から52才の成人患者23例を対象として、CBT後、1から4週の保存血清からHHV-6のDNAの検出と定量を試みた。その結果、CBT後1週で0例(0%)、2週で15例(65%)、3週で16例(70%)、4週で3例(13%)においてHHV-6のDNAが検出された。また、23例中20例(87%)において少なくとも1度はHHV-6のDNAが検出された。2週と3週におけるHHV-6のDNA量に有意差は認められなかった。同時期に当施設で非血縁者ドナーから骨髄移植を受けた成人患者21例では、移植後2週あるいは3週で合わせて4例(19%)でHHV-6のDNAが検出されたのみであり、CBTと比べて有意に低率であった。次に、HHV-6感染とCBT後早期の皮疹との関連性を検討した。皮疹出現例では非出現例に比べて、CBT後3週でのHHV-6のDNAの検出率は有意に高かった(88% vs. 14%)。 以上のことからリアルタイムPCR法を用いることにより、好中球生着以前のCBT後早期(2週と3週)において、血清中でHHV-6のDNAが高頻度に検出されることが判明した。また、CBT後3週におけるHHV-6のDNA血症がCBT後早期の皮疹と関連していることが示された。今後はさらに多数例の解析を行い、患者背景のデータと照合して統計学的解析を行う予定である。
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Research Products
(6 results)