2005 Fiscal Year Annual Research Report
自殺企図者の精神医学的研究:自殺企図の精神病理および生物学的背景、危険因子の研究
Project/Area Number |
16591152
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
河西 千秋 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (50315769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平安 良雄 横浜市立大学, 医学部, 教授 (70244324)
山田 朋樹 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00315813)
加藤 大慈 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70363819)
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Keywords | 自殺 / 自殺企図 / 危険因子 / 遺伝子多型 / 行動医学 / セロトニン・トランスポーター / セロトニン受容体 |
Research Abstract |
平成17年度は、自殺企図により横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター・高度救命救急センターに搬送され、精神医療センターを受診した患者(累積)222名(男性85名、女性137名、平均年齢37.9歳)を対象に研究を行った。患者の心理・社会的背景、臨床データを収集するとともに過去の自殺企図の有無と内容、今回の自殺企図についても詳細に調査した。また、構造化面接を行い精神医学診断を確定した。さらに精神症状・人格傾向については、抑うつ症状、衝動性、攻撃性を、標準化されたスケールを用いてそれぞれ評価した。自殺企図者の年齢構成を見ると、精神医学診断は、83%がDSM-IVのI軸診断を有し、その内訳はうつ病を含む気分障害が32%と最多で、適応障害が23%と続いた。男性では、女性に比してより致死性の高い自殺企図手段をとること、精神科受療率が低いことなどがうかがわれた。 17年度は、60名の対象者について遺伝子多型の解析を行い。1)セロトニン・トランスポーター遺伝子の5-HTTLPR多型、2)セロトニン1B受容体遺伝子のG861C多型、3)TPH遺伝子のA218C多型の解析を行った結果、1)ではアレル頻度で1:s=15.8:84.2、2)ではG:C=50.6:49.4、3)ではA:C=52.5:47.5という結果を得ている。これまでのところ、自殺企図者におけるこれらの頻度と、文献値とで有意差は得られていないが、対照群の検体を集め、解析を進め、さらに比較検討を進める。また、来年度以降はさらに、1)のイントロン2多型、センロトニン2A受容体多型など、遺伝子のターゲットを拡げるとともに、それぞれ100人以上の自殺企図者および対照群について解析を進める予定である。そして、対象者の背景データ・臨床データとの関連性を解析する予定である。
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Research Products
(7 results)