2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝・胆・膵癌におけるGalectin-3によるWnt系の制御
Project/Area Number |
16591291
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
志村 龍男 群馬大学, 医学部, 助手 (00282393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 荘一 群馬大学, 医学部, 助手 (30323356)
浅尾 高行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40212469)
桑野 博行 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90186560)
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Keywords | galectin-3 / Wnt / 消化器癌 / 肝胆膵癌 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
galectin-3はβ-galactosideに親和性を有する蛋白質で、その発現局在は細胞内外に多彩で臓器、組織によって異なっている。galectin-3の生命現象として、発生・分化・腫瘍増殖・転移・アポトーシスなど多岐にわたる機能を有するが、発現機構や等差認識との関連は解明されていない。消化器癌におけるgalectin-3の役割を検討するために、まず胃癌において以下の検討を行った。胃癌手術症例115例において免疫組織学的検討、標本のmRNAからRT-PCR法を用いて実際の蛋白発現量を検討するとともにgenomic DNAにおいて突然変異の有無を検討した。 1.臨床病理学的因子との関連を検討するとgalectin-3の発現は、腫瘍組織型、リンパ管侵襲、病期と関連を認めた。一方、腫瘍の増殖を反映するKi67の発現とは相関を認めなかった。さらにgalectin-3発現と予後との関連では、galectin-3低発現例は高発現例に比して有意に予後不良であった。 2.mRNAレベルでのgalectin-3発現量と免疫組織学的検討でのgalectin-3の染色率を比較すると有意な相関が認められた。 3.SSCP法で検討したところ、exon3にバンドの変異を認めたためこれをsequenceするとアミノ酸置換型のSNPを認めた。確認され潅SNP頻度は胃癌患者と健常正常人とに差は認められなかった。 以上より、胃癌におけるgalectin-3発現は腫瘍組織型、リンパ節転移、リンパ管侵襲、病期に関与しており予後規定因子となる可能性が示された。胃癌組織では特異的なgalectin-3遺伝子変異は認められず、一塩基置換が認められた。 現在、胆道系悪性腫瘍、膵悪性腫瘍、膵管内乳頭腺腫などにおいて免疫組織学的な検索を行うとともに、臨床病理学的因子との関連、遺伝子変異の有無などにつき検討を行っている。
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Research Products
(11 results)