2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝・胆・膵癌におけるGalectin-3によるWnt系の制御
Project/Area Number |
16591291
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
志村 龍男 群馬大学, 医学部, 助手 (00282393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 荘一 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30323356)
浅尾 高行 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40212469)
桑野 博行 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90186560)
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Keywords | galectin-3 / Wnt / 肝胆膵癌 / 消化器癌 |
Research Abstract |
(背景)膵管内乳頭腺腫(IPMN)、膵管内乳頭腺癌(IPMC)、浸潤型膵管癌(IDC)におけるWnt signal pathwayにおける諸因子の検討を行うためE-cadherin、Beta-catenin、Cyclin D1、Galectin-3の免疫染色を行い臨床病理学的に検討した。 (方法)1990年から2005年に切除されたIPMN35例、IPMC8例、IDC25例について免疫染色法を用いてE-cadherin、Alpha-catenin、Beta-catenin、Cyclin D1、Galectin-3の発現を検討した。評価方法としてはそれぞれの発現強度・発現率を算定しその和(IS : immunoreactive score)を評価した。 (結果)IPMN由来の癌化症例であるIPMCにおけるE-cadherin、Alpha-catenin、Beta-cateninの膜発現はIPMNに比し有意に減弱を認め、IDCとほぼ同様な発現パターンとなった。その一方でIPMCにおけるBeta-cateninの核内集積率および核内集積症例頻度はIDCおよびIPMNに比して有意に高値であった(P<0.01)。さらに、Wnt signal pathwayの下流であるCyclin-D1の発現率も有意に高値であった。Galectin-3の発現率は正常膵>IPMN>IPMC>IDCであり、癌化との関連は示唆されたがWnt signal pathwayとの関連性は乏しかった。 (結論)IPMNの癌化過程において通常型膵癌と同様なCadherin/Catenin複合体の異常が認められた。さらにIPMCにおいてBeta-cateninの核内集積が多く認められWnt pathwayの異常が存在する可能性が示されたが、本機構にはGalectin-3の関与は認められなかった。
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Research Products
(6 results)