2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌特異的なシグナル伝達経路からみた難治性進行肝細胞癌に対する治療の確立
Project/Area Number |
16591314
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永野 浩昭 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敦史 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00362731)
丸橋 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20362725)
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Keywords | 肝細胞癌 / IFN併用化学療法 / TRAIL / TRAIL受容体 / NK細胞 / Fas / Fas-L / 血管新生 |
Research Abstract |
IFN併用化学療法の作用機序の検討 (1)免疫賦活作用にもとずくapoptosisの誘導 現在までに、IFN併用化学療法下での、TRAIL-TRAIL受容体を介した宿主のNK細胞の関与とIFN併用化学療法の抗腫瘍効果について、明らかにしてきた。今年度は、さらにこの系に加えて、Fas-FasLを介した作用についても、そのシグナル伝達機構の解析により、IFN併用化学療法下での、CTLの誘導と肝細胞癌細胞株のapoptosisとが関連していることが明らかになった。 (2)IFN受容体からのシグナル伝達を介した抗腫瘍効果 肝細胞癌細胞株を用いて、IFN受容体からのシグナル伝達に関して、IFN-α、IFN-βの両因子が受容体と結合した後に発現するSTATのリン酸化以後のシグナルと抗腫瘍効果との直接的な関係について、現在検討中である。 (3)抗血管新生作用関連 今年度はnude mouseヒト腫瘍移植モデルを使用しこれらの因子について検討した。肝細胞癌株(HuH7)を用いて、nude mouseヒト腫瘍移植モデルを作成した後、IFN、5FU、5FU+IFNのそれぞれにて治療し、もっとも抗腫瘍効果が強い併用群でのMVD(micro-vessel density)は明らかに減少しており、IFN併用化学療法の作用機序のひとつとして血管新生抑制作用が強く関与していることを明らかにした。さらに、腫瘍内における血管新生関連因子(TSP、Ang-1、Ang-2、VEGF、Tie2、HIF1-α)のmRNAレベル及び蛋白レベル(免疫組織染色、ELISA法)での評価においては、Ang-2の発現が抗腫瘍効果と関係した。
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Research Products
(6 results)