2004 Fiscal Year Annual Research Report
自動磁気細胞分離装置を用いた胃癌のセンチネルリンパ節微小転移検出
Project/Area Number |
16591317
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
近藤 亮 国立大学法人鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (90304211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻谷 俊一 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助教授 (30188544)
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Keywords | 胃癌 / センチネルリンパ節 / 微小転移 |
Research Abstract |
(1)胃癌のセンチネルリンパ節の同定 RI法と色素法を併用し、胃癌のセンチネルリンパ節の同定とマッピングを行った。現在までに、術前深達度が固有筋層までに止まると診断した31例の集積がある。センチネルリンパ節の同定は、術前日に内視鏡を用いて粘膜下層に99m-Tm Colloidを注入し、術中ガンマプローブにてセンチネルリンパ節を同定するRI法と、術中漿膜側よりindocyanine green25mg/5mlを注入し、着色したリンパ節を全てセンチネルリンパ節と見なして摘出し、転移の有無を検討する色素法を併用した。センチネルリンパ節は、28例(90.3%)で同定可能であった。同定されたセンチネルリンパ節の総数は75個で、1症例平均2.7個。そのうち、色素とRIの双方で同定されたもの16個(21.3%)、色素のみで同定されたもの22個(29.3%)、RIのみで同定されたもの37個(49.3%)であった。2群リンパ節がセンチネルリンパ節と同定されたものは6症例(21.4%)6個であった。センチネルリンパ節に転移を認めた症例は筋層に達した癌の1例のみであった。センチネルリンパ節には転移がなく,それ以外のリンパ節に転移を認めた2例は、いずれも進行癌で肉眼的にリンパ節転移陽性であった。以上の結果から、RI法と色素法で、センチネルリンパ節の一致率は必ずしも高くなく、複雑なリンパ流上にあるセンチネルリンパ節の検索に双方を併用することは意義があると考えられた。また、肉眼的リンパ節転移陽性例はセンチネル理論が成り立たないと考えられた。 (2)胃癌のセンチネルリンパ節の術中転移診断 術中に同定したセンチネルリンパ節術中最大割面における迅速病理組織診およびリンパ節細切によるサイトケラチンを用いたタッチ細胞診およびPCR法の結果、現在までにセンチネルリンパ節への転移陽性例を認めていない。今後症例を増やし、検討を継続してゆく予定である。
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