2004 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイトファイバーをスキャフォルドとした再生骨の脊椎固定術への応用
Project/Area Number |
16591511
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 守雄 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (40209656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸山 芳昭 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40129549)
相澤 守 明治大学, 理工学部, 助教授 (10255713)
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Keywords | hydroxyapatite / 骨再生 / rhBMP-2 / 骨髄細胞 / 多孔性 / 生体吸収性 / DDS / 脊椎固定術 |
Research Abstract |
今年度は、1.高強度化したアパタイトファイバー(以下AFS)の、骨再生におけるスキャフォルドとしての有用性について、2.AFSのrhBMP-2の担体としての有用性について、特に脊椎固定術の移植骨として応用可能か、を評価するため以下の実験を行った。具体的には、1.豚由来のアテロコラーゲンと複合化したAFSにラット骨髄細胞を播種し、その後in vitroでの培養を継続した。所定の期間後にAFSのアルカリフォスファターゼ(ALP)活性およびOC量を定量した。2.1)rhBMP-2を付加したAFSを、PHを4に調整した酢酸緩衝溶液5mlに投入した。所定の期間静置したのち、遠心分離を行い、上澄み液のrhBMP-2濃度を計測、経時的な濃度変化を評価した。2.2)14週齢ラット(脊椎固定術モデル)を2群にわけ、同一量(10μg)のrhBMP-2をAFSと、比較対照として用いた市販アパタイト緻密体(以下HA)に付加した後、第5〜6腰椎間両側後側方固定術に用いた。移植後に第5〜6脊椎を一塊として摘出した。骨癒合の程度をX線撮影と徒手検査およびμCT撮影にて評価し、両群間で比較した。 結果、1.AFS単独の場合と同様に、培養3週間の間ALP活性、OC量は経時的に増加しており、コラーゲン複合化AFSも、良好な生体適合性、細胞分化、増殖能をもっていた。2.1)rhBMP-2濃度は、投入後1日目に最高値となり、一旦低下するものの7日目にまた上昇する二峰性の濃度変化を呈した。2.2)AFS群のほうがより高い骨癒合率を示した。μCT像によると、HA群では、脊椎からやや離れた位置に、内部に空洞の目立つ骨が形成されたのに対し、AFS群では、脊椎に密着したAFS中心に旺盛な骨形成が得られた。以上より、AFSは骨再生のスキャフォルドとしてのみならず、rhBMP-2の担体としても有用と考えられた。
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Research Products
(2 results)