2005 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン感受性変化を中心とした前立腺癌ホルモン抵抗性の機序の解明
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16591629
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
藤本 直浩 産業医科大学, 医学部, 助教授 (30209100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英樹 産業医科大学, 医学部, 助手 (00309973)
野村 昌良 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369066)
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Keywords | 前立腺癌 / ホルモン感受性 / アンドロゲン受容体 |
Research Abstract |
1 アンドロゲン高感受性前立腺癌細胞LN-TR2におけるアンドロゲン受容体(AR)共役因子の検討 前年度の研究によりLN-TR2細胞が親株であるLNCaP細胞よりアンドロゲンに対し高感受性である機序はARの遺伝子変異ではないことがわかった。両細胞株においてARの転写活性を修飾する8つの共役因子(ARA55,ARA54,ARA70,SRC1,TIF2,RAC1,FHL,SMRT)の発現をRT-PCRで調べた。その結果LN-TR2細胞においてARA55、TIF2の高発現がみられた。LNCaP細胞にARA55、TIF2を発現させARの転写活性を調べると、これらの共役因子はアンドロゲンによるARの転写活性を約3倍増強させ、かつこれらの共役因子を発現させると低濃度(10^<-11>M、10^<-10>M)のアンドロゲン環境においてもARは十分な転写活性を示した。これらのことより、前立腺癌細胞においてARの共役因子の発現が増強すると低濃度のアンドロゲンにも反応可能となり、このことが前立腺癌のホルモン抵抗性の機序の一つになり得ると考えられた。再燃を示した症例の中でホルモン療法前と再燃後で前立腺癌組織が得られた症例でARA55、TIF2に対する抗体を用いて免疫染色を行った結果、再燃後でARA55の高発現を認めた症例があった。今後症例を増やし検討を重ねる予定である。 2 前立腺癌細胞に対するcytokineの影響 前年度にホルモン抵抗性前立腺癌患者で高値を示すIL10をDU145細胞に作用させた細胞ではcontrolに比べ細胞増殖が亢進することがわかった。そこでヌードマウスにIL10を作用さたDU145細胞とcontrolの細胞を皮下移植したが、腫瘍形成率が低かった。そのでMatrigelと共にDU145を移植し腫瘍形成の向上を行っている。
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