2007 Fiscal Year Annual Research Report
着床期子宮内膜におけるサイトカインの発現とその役割についての研究
Project/Area Number |
16591672
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奈須 家栄 Oita University, 医学部, 講師 (30274757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 教行 大分大学, 医学部, 助教 (50295185)
河野 康志 大分大学, 医学部, 講師 (40274758)
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Keywords | 子宮内膜 / 子宮内膜症 / 瘢痕化 / Tissue remodeling / Contractility / 3-dimensional collagen gel culture / Rho / α-smooth muscle actin |
Research Abstract |
緒言:我々はこれまでに、子宮内膜のtissue remodellingの観点から、子宮内膜間質細胞の機能を調節する因子としてサイトカインに注目し、研究を行ってきた。本年度は着床の異常を惹起する病態として子宮内膜症に着目し、その病態解明を目的として検討を行った。 方法:卵巣子宮内膜症性嚢胞の手術検体より、子宮内膜症間質細胞を分離培養した。また、子宮筋腫の手術検体より増殖期後期の子宮内膜を採取し、正常子宮内膜間質細胞を分離、培養した。Collagen gel contraction assayを用いて、子宮内膜症間質細胞および正常子宮内膜間質細胞のcontractilityを評価した。 結果:Collagen gelを用いた3次元培養では、子宮内膜症間質細胞は正常子宮内膜間質細胞より強くcollagen gelを収縮させることが分かった。この現象は子宮内膜症間質細胞ではα-smoothmuscle actinの発現が増強し、筋線維芽細胞への分化が促進されていること、またRhoA、 ROCK1およびROCK2の発現が亢進していることに起因すると考えられた。さらにROCKのinhibitorであるY-27632は子宮内膜症間質細胞によるcollagen gelの収縮を抑制した。 考察:子宮内膜症における瘢痕形成には、子宮内膜症間質細胞のcontractilityの増強が関与していると考えられた。さらにY-27632は子宮内膜症の新しい治療薬となる可能性が示唆された。
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Research Products
(28 results)