2004 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalisSODに見出した金属選択に関わるアミノ酸残基の普遍性
Project/Area Number |
16591874
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
平岡 行博 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (20097512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 照仁 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90302893)
奥村 茂樹 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80350825)
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Keywords | 活性酸素 / SOD / スーパーオキシドジスムターゼ / 金属酵素 / 酸化還元酵素 / 金属選択性 / 部位特異的変異 / Porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
<目的>歯周病原菌の一種であるPorphyromonas gingivalis(P.g.)のスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、マンガンと鉄の何れの金属でも活性を持ち、含有する金属によってそれに応じた化学的性質を示す特徴がある。私たちは、P.g.SODのGly-155をThrへ変換する事で見出した金属特異性に寄与するアミノ酸残基が、他のSODにおいても普遍性を持ちうると仮定し、E.coli Mn-SODをFe-特異的SODに変換変化させた酵素を得ることを目的とした。 <方法>P.g.SODのGly-155は、E.coli Mn-SODのGly-166に相当するので、Gly-166(GGC)⇒Thr(ACC)の変異を導入した。部位特異的変異はKunkelの方法により導入した。野生型酵素と変異酵素は過剰発現系のpMALベクターに再構築し、ネイティブ型酵素と同一のN末端およびC末端をもつ酵素を精製して実験に供した。さらに、変異酵素のFeおよびMn再構成酵素を調製して、野生型酵素のそれと酵素化学的性質を比較した。 <結果>得られた野生型酵素およびGly 166 Thr変異酵素は、変異の導入を塩基配列の決定で確認し、精製酵素の分子量を測定して期待値と一致することを確認した。金属再構成酵素の酵素タンパク質あたりの比活性を比較すると、野生型のFe再構成酵素/Mn再構成酵素で1/160であったが、Gly 166 Thr変異酵素のそれは1/40で、酵素活性のFeに対する依存性が変異酵素で4倍に上昇した。P.g.SODで見出した金属特異性に寄与するアミノ酸残基が、E.coli Mn-SODにおいても同様の役割を持っている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)