2005 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalisSODに見出した金属選択に関わるアミノ酸残基の普遍性
Project/Area Number |
16591874
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
平岡 行博 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (20097512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 照仁 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90302893)
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Keywords | 活性酸素 / SOD / スーパーオキシドジスムターゼ / 金属酵素 / 酸化還元酵素 / 金属選択性 / 部位特異的変異 / Porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
<目的>歯周病原菌の一種であるPorphyromonas gingivalis(P.g.)のスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、マンガンと鉄の何れの金属でも活性を持ち、含有する金属によってそれに応じた化学的性質を示すcambialistic酵素と呼ばれる。本研究は、Gly155残基をThrに変異させた酵素が金属選択性に大きな影響を与えたことに基づき、E.coli SODにおける同残基においても同様な役割をもっているか検討を加え、SODの活性中心の構造を明らかにすることを目的とした。 <方法>P.g SODのGly 155 Thr変異酵素はKunkelの方法で得た。酵素は金属を除去後にMnあるいはFeを添加してP.g(Mn)SOD、P.g(Fe)SODに再構成した。同様の金属再構成処置をE.coli Fe-SODに対して行い、高磁場電子スピン共鳴(EPR)スペクトルで金属配位環境を検討した。 <結果>Gly155Thr-P.g(Mn)SODのEPRスペクトルは、E.coli Fe-SODのMn再構成酵素と近似し、E.coli Mn-SODとは明らかに異なった。これは、変異体中のMn-配位子相互作用がE.coli Fe-SODのそれと同一であり、金属配位環境がcambialisticからFe型SODに変化したことを示唆する。Gly-155は、E.coli MnSODを含むMn-SODsに高度に保存され、cambalistic酵素中にもあるが、ほとんどのFe-SODs中ではThrである。この残基は、活性金属とは2残基分;11Å離れているが、活性金属と配位するアミノ酸4残基のうち、Asp157の金属配位状態に影響を与えていた。即ち、Asp157と金属間の距離は、EPRの結果からE.coli Mn-SODがE.coli Fe-SODより0.01-0.05Å長いと推測された。Gly155は酵素活性のMn依存性を決定する残基の1つとして、また、同位置のThrはFe依存性を決定する残基の1つとして、両残基とも普遍性を持つと結論できた。
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Research Products
(1 results)