2005 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症候群患者の遺伝子多型解析による歯周病発症遺伝子検索
Project/Area Number |
16592102
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
笠原 浩 Matsumoto Dental University, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (50097490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 宝禮 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20213613)
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Keywords | ダウン症候群 / 歯周病 / 発症遺伝子 / PCR-RFLP |
Research Abstract |
歯周病は、common diseaseといわれ、この疾患原因遺伝子は、原因因子が多様であることから、いまだ明らかにされていない。一塩基多型(SNPs)解析を用いた成人性歯周病発症遺伝子の検索が行われるようになり、HLA class II抗原遺伝子、CD18遺伝子、IL-1遺伝子等が歯周病発症遺伝子として示唆されている。一方、染色体異常であるダウン症候群患者においては、歯周病が早期から急速に進行する事や、他の精神遅滞患者と比較して歯肉結合組織の接着性が低下傾向にある事が確認されており、このことがダウン症候群患者の染色体異常に伴う内的要因として歯周病発症の原因のひとつであると考えた。本研究は、ダウン症候群患者の歯周病発症と関連が予想される遺伝子に着目し、PCR-RFLP解析を用いて歯周病発症遺伝子の発見を目的とした。 ダウン症候群患者28名に対して歯周病をスクリーニングし、インフォームドコンセント後、舌表面剥離細胞からDNAを抽出した。現在までに、炎症性サイトカインであるIL-1A,IL-1B及びLPS(リポ多糖類)の受容体であるTLR2,TLR4についてSNPs解析を行ったところ、差に有意性は認められなかった。この結果については、現在投稿中である。また、繊維芽細胞増殖因子の受容体であるFGFR1、白血球の接着・走化性に関与する細胞接着分子インテグリンについて同様な解析を行ったところ、差に有意性は認められなかった。歯周病原因菌に抗菌活性がある抗菌性ペプチド、ディフェンシンはダウン症候群患者と健常者間で差に有意性が認められたが、歯周病発症遺伝子として特定は出来なかった。 現在、他のサイトカイン、ペプチドおよび補体系関連分子などの遺伝子検索及び解析を詳細に行っている。
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