2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16614007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角谷 寛 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (90362516)
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Keywords | 睡眠 / 睡眠時無呼吸症候群 / マウス / 概日リズム |
Research Abstract |
マウスの脳波と筋電図を計測しながらリアルタイムでコンピュータにより解析し、吸気中の酸素・二酸化炭素濃度を自在にコントロールする実験系を作成した。それを用いて長期に睡眠を障害した際に生じる変化を解析することにより、睡眠調節機構を解明することを目指している。睡眠時に低酸素・高二酸化炭素を投与することにより睡眠を障害出来ることは既に確認済みであった。 ヒトの睡眠呼吸障害(眠気を伴えば睡眠時無呼吸症候群)において、気道の物理的閉塞により低酸素血症及び高二酸化炭素症をきたし、その覚醒効果によって睡眠が障害されることが病態の中心と考えられている。我々の実験系によりマウスの睡眠を障害すると、障害中止直後に著明な睡眠の増加を認め、強い眠気を来していると考えられるので、我々の実験系はヒトの睡眠呼吸障害及び睡眠時無呼吸症候群の病態をよく再現していると考えられる 申請時には1匹を対象とした実験系を稼働させていたが、平成16年度中に同時に3〜4匹を実験出来るよう改良した。また、高二酸化炭素投与にては酸素飽和度の低下はないが、低酸素投与すると投与する酸素濃度が14%以下になると著明な低酸素血症を来すことが明らかとなった。 睡眠調節には概日リズムの調節機構も関与している。中枢における概日リズムの制御機構は遺伝子レベルで解明されつつあるが、末梢での同調機構については不明な点が多い。そこで、末梢におけるリズム調節の同調がどのように行われているかを解明するために、培養細胞(NIH3T3細胞)・マウス個体における種々の時計遺伝子の発現量の変化、および、マウス個体の活動量の変化を解析した。その結果、プロスタグランジンE2(PGE2)が末梢の概日リズムを同調する作用があることを見出した。
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Research Products
(7 results)