2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16614007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角谷 寛 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90362516)
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Keywords | 睡眠障害 / 高血圧 / ブレインマシンインターフェース / 睡眠時無呼吸症候群 / 睡眠 |
Research Abstract |
睡眠は脳にとって、その機能を維持するのに必要不可欠な生理機能である。また睡眠障害に由来する居眠り等は交通事故などの原因となって、経済的損失をもたらす社会的問題でもある。中でも睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome : SAS)は、睡眠中に無呼吸・低呼吸が起こるために睡眠が障害される疾患で、一般の少なくとも数%が罹患している最も頻度の高い睡眠異常の一つである。またSASにおいては、正常な睡眠が取れない上に、無呼吸による睡眠中の血中酸素濃度の著しい低下および血中二酸化炭素濃度の著しい上昇が起こっており、身体に何らかの障害が生じていることが考えられる。 そこで研究代表者は、マウスの脳波と筋電図を計測しながらリアルタイムで睡眠を自動で判定し、その結果に基づいてマスフローコントローラーを制御することにより、マウス・ケージ内の酸素濃度、二酸化炭素濃度を自在にコントロールできるシステムを開発した。このシステムを用いて睡眠時のみに低酸素や高二酸化炭素を吸気させて覚醒させ、長期間・自動でマウス睡眠を障害することができる。ヒトのSASにおいては、気道閉鎖による低酸素や高二酸化炭素状態が原因となって睡眠を妨げているため、この実験系はSASのマウスモデルと考えられる。これによりSASがどのような生理学的・生化学的な影響を与えているかが解明できる。 マウスで酸素濃度・二酸化炭素濃度の双方を制御してSASの病態を再現するモデルは我々のシステムが初めてのものである。このシステムを用いて1週間マウスの睡眠を障害したところ、血圧が上昇することが明らかとなってきた。 ヒトSASは二次性高血圧の原因とされており、その発症メカニズムに迫れると考えている。このSASの病態を再現する実験系を用いて、二次性高血圧を筆頭に合併症の成因を含むSASの病態解明に貢献していきたい。
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Research Products
(5 results)