2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of Roland Barthes' Literary Theory and Speech Act Theory of the 20th Century
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16H06788
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
守谷 広子 東京藝術大学, 美術学部, 助手 (40783204)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | ロラン・バルト / 文学理論 / 言語行為論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、前年度までに行ったバルトの文学理論と言語行為論との比較研究をふまえて、バルトの文学理論を言語学的観点から体系化すると同時に、その独自性を闡明することを試みた。この目的の背景には、従来のバルト研究において、文学をめぐるバルトの思想が、個々の作品の形式的な多様さが一因となって、総合的に論じられてこなかったという問題点があった。これに対して、本研究は第一に、バルトの思想を言語学的観点から基礎づけることで、バルトの文学的思想を学術的観点から捉えるための土台を準備した。そのうえで、バルトの文学理論の独自性ならびにその現代的意義を改めて議論した。 本研究課題における本年度の成果は以下の二点に集約される。(1)バルトの文学理論との関連が認められる言語学的資料を選択し、双方の類似と差異を文献学的・思想的に明らかにした。(2)1の成果を踏まて、バルトの文学理論の再構築・再評価を試みた。以上の結果として、バルトの文学理論の歴史的位置づけとその意義が明らかになった。これにより、従来の研究が評価してきた以上に、バルトの著作が理論的論証に耐え得るものであること、また、それが文学研究の歴史上で果たしてきた役割の大きさが証明された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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