2016 Fiscal Year Research-status Report
マインドフルネスに基づくソーシャルワーク専門職エンパワメント・プログラムの開発
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16K04226
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
池埜 聡 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (10319816)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マインドフルネス / ソーシャルワーク / 援助関係 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士 / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的、マインドフルネスに基づく社会福祉士や精神保健福祉士などソーシャルワーク(SW)専門職のストレス低減と援助関係の涵養に資するエンパワメント・プログラムの作成とその普及にあたり、平成28年度の成果を以下報告する。 1. 包括的文献研究:アップデートされたマインドフルネスの効果機序と援助関係への影響に関連する先行研究レビューを継続的に行い、「少年院矯正教育へのマインドフルネス導入を巡る実践及び研究課題」『人間福祉学研究』第9-1号(p. 67-90)、「マインドフルネス入門」『ケアマネジャー』18(4)~18(7)、「支援者のマインドフルネス経験が援助関係に与える影響と機序」『精神科治療学』第32-5号(平成29年5月掲載予定)としてまとめた。その他、文献研究の成果は書籍(2册)として平成29年度中に出版予定である。 2. 研究会の立ち上げ:平成28年9月よりメリーランド大学・大谷彰氏とともに研究会(マインドフルネス研究会@梅田)を立ち上げ、現在まで11回を数えている。臨床心理、精神医学、統合医療、脳科学等の研究者・実践者計12名に参加いただき、現在も活発な情報交換が継続されている。 3. ホームページ(HP)立ち上げ:マインドフルネス・プラクティスの音声ガイドと関連情報を掲載したHPを立ち上げた。 4. 探索的直接インタビュー調査:平成28年6月~7月にSW専門職対象のマインドフルネス講座(5回)を行い、講座終了から1ヶ月後に探索的インタビューを実施(n=20)。準実験デザインに基づき、マインドフルネス状態、ストレス度、援助関係等について量的・質的ミックス法から探索した。一次分析結果は第3回日本マインドフルネス学会(平成28年11月)にて報告。ソーシャルワーク援助関係の変容に関する結果を論文として投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
包括的文献研究は予定通り遂行され、論文2本及び著書2册として出版の見通しが得られた。研究会及びホームページ(HP)の立ち上げも達成し、継続的な情報収集と成果の普及体制が整った。探索的直接インタビュー調査は、平成28年度中にデータ収集までを当初予定していたが、データ収集から分析、そして学会発表及び論文投稿まで進めることができた。 研究計画の中で未達成のものは、次の2点となる。 1. HPによる情報交流:情報管理の観点から、HPでは一方向の情報提供にとどまり、情報交流が可能な体制構築は叶わなかった。 2. 海外機関との連携:UCLA Mindful Awareness Research Centerとの協働及び情報交換については、当初予定していたスケジュール調整が叶わず、28年度中に実施することができなかった。 これら未達成部分は、平成29年度において遂行していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、以下の項目について推進していく。 1. 未達成項目の補完:昨年度未達成となった情報交流が可能となるホームページ(HP)の改編とUCLA Mindful Awareness Research Centerとの協働及び情報収集を推進していく。 2. 成果発表:昨年度実施した包括的文献研究に基づく著書出版の完了、探索的直接インタビュー調査の質的分析結果に関する学会発表(日本ソーシャルワーク学会及び日本社会福祉学会)、そしてワーク・ライフ・バランス及びソーシャルワーク価値等の観点から新たな質的データ分析と論文作成など、成果発表に向けた作業を遂行する。 3. オンライン調査の基盤形成:昨年度の包括的文献研究及び探索的インタビュー調査の分析結果から、SW専門職のマインドフルネス状態と就業特性及び心理社会的要因を考慮したモデル構築とその検証を可能にする質問紙を作成し、オンライン調査に基づく横断的研究の実施に向けた基盤形成を行う。サンプリングは、兵庫県社会福祉士会、兵庫県精神保健福祉士会、日本医療社会福祉協会、日本医療社会福祉学会との協働体制を構築する。オンライン調査は、分析プラットホームとしてQualtricsとの契約及び質問紙作成を中心に企画し、実施体制を整備していく。 4. 研究会の成果発表:昨年度から継続している研究会での議論を踏まえ、アップデートされたマインドフルネス実践の成果発表の方法を検討する。著書出版の方向性が模索されており、当該年度において内容と出版に向けた基盤を研究会で構築していく。また、研究会で把握された多領域におけるマインドフルネスの取り組みとの比較からSW専門職のエンパワメントに資するマインドフルネス・プログラムの構築を模索する。
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Causes of Carryover |
UCLA Mindful Awareness Research Center (MARC)との協働及び情報収集を目的とした海外出張について、スケジュール調整が叶わず、未達成となったため、次年度使用額が生じた。SW専門職対象の探索的直接インタビュー調査を計画より前倒しで実施したため、国内学会発表と論文作成等を優先したために生じたスケジュールの変更によるものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度におけるMARCとの協働及び情報収集を目的とした出張費のために使用する予定。
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Research Products
(9 results)