2016 Fiscal Year Research-status Report
新しい原理に基づくヌクレオソーム中心と転写因子結合部位の網羅的統合解析
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16K14642
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 九州大学, 医学研究院, 教授 (90201326)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DMS-seq / ヌクレオソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ジメチル硫酸(DMS)によるin vivoゲノムワイドフットプリント法DMS-Seqを開発して、転写因子結合部位の同定に成功した。更に、その過程で遭遇したDMSによるヌクレオソーム中心の優先的切断という予想外の現象に基づいて、従来はヒストンH4遺伝子の遺伝的改変が可能な酵母でしか実現できなかった中心部の直接検出に基づく高精度ヌクレオソームマッピングを、全ての真核生物で可能にする新技術としてのDMS-Seqの可能性を検討した。 その結果、出芽酵母を用いた実験において、低濃度のDMSを使用したり、長いDMS切断断片を利用することで、ヌクレオソーム中心の検出が加速されることが判明した。一方、変性DMS切断断片をDNA SMART法でライブラリ化を試みたが、ヌクレオソーム中心の検出感度の上昇効果は得られなかった。 また、分裂酵母にもDMS-Seqを行い、ヒストンH4変異体を利用する化学切断法による切断点データとの比較を行った。その結果、分裂酵母においてもDMSがヌクレオソーム中心を優先的に切断することが判った。 更に、哺乳類細胞への応用可能性を検討すべく、ヒト線維芽細胞IMR90への応用もおこなった。CTCFやRAD21の結合の検出に成功し、それらの結合部位周辺のMNaseとDMSによる切断頻度を比較したところ、両者が逆位相の振動を示すことが判り、ヒトでもヌクレオソーム中心を検出できる可能性が示された。ヒトでは化学切断法によるヌクレオソーム中心の正確な直接的決定ができないので、その代わりに70種類以上の不死化Bリンパ球のMNaseデータの解析から予測された中心部位とDMS切断の関係性を検討し、ヒトでもDMSがヌクレオソーム中心を優先的に切断することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DMS-seqによるヌクレオソーム中心の検出が可能であることを示すデータが出芽酵母のみならず分裂酵母およびヒト細胞においても取得されて、より確実なものとなった。検出効率を上げる試みの中には、一部、所期の効果を得られないものもあった。
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Strategy for Future Research Activity |
ヌクレオソームと転写因子によるピークの識別がひとつの課題である。DMS-seqパターンから両者を識別する方法を検討する。また、この方法の根本原理となるヌクレオソーム中心がDMSに対して感受性を示すメカニズムについても理解を深める必要がある。
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Causes of Carryover |
DMS-seqデータはこれまでにないタイプのデータであり、その解析には独自の方法やそれを実装したプログラムの作成が必要となり、予想以上の時間と労力を要したために、当初計画した実験と解析が完全には終了しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残りの実験と解析を終了させて結果を取りまとめた上で、論文の作成と出版を行う。
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Research Products
(1 results)