2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015039
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 哲治 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10284994)
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Keywords | 大腸癌 / ACF / 予防 |
Research Abstract |
[目的] 我々はこれまで、拡大内視鏡を用いてヒトのaberrant crypt foci(以下ACF)を観察し、ACFがadenoma-carcinoma sequenceのprecursorであること、ACFには既にK-ras変異が高率に認められることを報告した(New Engl J Med 339,1998)。ACFは腺腫の前病変であることから、ACFを標的とした発癌予防の臨床試験を行うことにより、短期間にかっ安全に予防効果を評価しうると考えられる。そこで本研究では、ACFを有するものを対象に、NSIADsの一種であるスリンダク、COX-2選択的阻害剤であるエトドラク、プラセボをそれぞれ短期間投与する無作為抽出臨床試験を行った。 [対象と方法] (1)本臨床試験の適応基準 1)ACFを有すること、2)Clean colon(ポリペクトミーした者を含む)であること、3)NSAIDsの常用者でないこと、など。 (2)ACFの観察 ACFの観察は既報に従い、拡大内視鏡を用いて行った。 (3)薬剤の投与 上記基準を満たす者を、スリンダク群、エトドラク群、プラセボ群の3群に無作為割り付けを行った。各群ではスリンダク300mg/日、エトドラク400mg/日、プラセボ(乳糖)300mg/日をそれぞれ2ヶ月間投与した。 (4)2ヶ月後にACF数の変化を評価するとともに,1年後にACF数及びポリープの発生を調べた。尚、本研究は当院の倫理委員会の承認を得て行った。 [結果] これまでに、約200例が登録され、ドロップアウト症例はわずか9例である。薬剤を予定通り2ヶ月固服用した者は180例である。このうち、1年後の検査を受けた者は167例である。現時点では、副作用は極めて軽微であり、grade 2の腹痛など)であった。本臨床試験の結果は現在解析中であり、間もなく詳細が明らかにされる予定である。
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Research Products
(3 results)