2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本産野生ドブネズミ由来の近交系ラットを用いた交雑群による毒性評価システムの構築
Project/Area Number |
17300132
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北田 一博 Hokkaido University, 創成科学共同研究機構, 准教授 (70263093)
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Keywords | ラット / 交雑群 / 安全性試験 / NIG-III / クローズドコロニー |
Research Abstract |
新規化合物に対する安全性試験に、クローズドコロニーのラットが汎用される。しかし、クローズドコロニーの遺伝モニタリングは容易でなく、集団の一部で毒性が観察された場合であっても、遺伝解析が適用困難である。そこで、新たな安全性試験のためのツールとして、当施設で維持している日本産野生ドブネズミ由来の近交系ラットNIG-III等を用いた交雑群の有用性を検討することにした。既存ラット系統から遺伝的に離れているNIG-IIIを用いるため、遺伝的多様性が供給される。また、交雑群を採用するため、前もって多型性を示すマイロクサテライトマーカーを用意しておけば、遺伝モニタリングの実施は容易である。さらに、マイクロサテライトマーカーを用いた家系分析が可能となるため、副作用感受性遺伝子の同定も可能となる。既存のクローズドコロニーとNIG-IIIを用いた交雑群を併用することにより、より確実な毒性評価、副作用感受性遺伝子の同定の実現が期待される。 本年度は、NIG-IIIに由来する交雑群が副作用感受性遺伝子の同定に使用できる可能性を示すため、出生時体重をモデルとして遺伝解析を実施した。すなわち、4つの近次系(BN、F344、NIG-III、SHR)から実際に4元交雑(F344 x BN) x (NIG-III x SHR)の新生仔を作出するとともに、体重を測定した。さらに、常染色体上の32のマイクロサテライトマーカーを用いてそれぞれの遺伝子型を決定でき、1系統の対立遺伝子とその他の対立遺伝子のフォーマットで4つのデータセットを作成することができた。今回はQTL解析で有意な遺伝子坐が検出されなかったが、4元交雑群の遺伝子型決定が容易であることを示すことができたことから、将来的には、遺伝モニタリングが容易で、毒性評価、副作用感受性遺伝子の同定が可能な系統作製の達成が期待される。
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Research Products
(2 results)