2006 Fiscal Year Annual Research Report
疲労困憊に至る筋収縮後における筋疲労回復遅延の要因
Project/Area Number |
17300209
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
和田 正信 広島大学, 大学院総合科学研究科, 教授 (80220961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 智 大阪市立大学, 都市健康スポーツ研究センター, 講師 (70221588)
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Keywords | 筋小胞体 / 筋疲労 / カルシウム / ATPase |
Research Abstract |
本研究の目的は,筋小胞体(sarcoplasmic reticulum ; SR)の機能の変換に焦点をあて,筋が疲労する要因を検討することである.本年度は,Wistar系ラットの腓腹筋に電気刺激による収縮を5分間負荷し,0,10,30および60分間安静を保った後,SRの機能を測定し,以下の結果を得た.なお,負荷した電気刺激は,矩形波-1msec,頻度-75Hz,1回の刺激時間-106msecであり,この刺激を2秒に1回坐骨神経を介して与えた. 1.5分間の収縮により,SR Ca^<2+>-ATPase活性は33%低下した. 2.低下したSR Ca^<2+>-ATPase活性は,30分間の安静により回復した. 3.収縮により,SR Ca^<2+>-ATPaseに含まれるカルボニル基の量は増大した. 4.増大したカルボニル基の量は,60分間までの安静によって元に戻らなかった. 5.収縮により,SR Ca^<2+>-ATPaseに結合するfluorescein isothiocyanate(FITC)の量は21%低下した. 6.低下したFITCの量は,60分間までの安静によって元に戻らなかった. FITCは,SR Ca^<2+>-ATPaseのATP結合部位のリシン残基に特異的に結合する物質である.疲労し張力が低下した筋では,SR Ca^<2+>-ATPaseに結合するFITCの量が低下することが,先行研究によって報告されており,このことから収縮によってSRのCa^<2+>取り込み機能が低下するのは,酵素のATP結合部位の構造が変化するためであるとされてきた.収縮後の安静期において,SR Ca^<2+>-ATPase活性は収縮前のレベルに戻ったが,FITCの結合量は回復しなかったことを示す本研究の結果は,この知見を否定するものである.
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Research Products
(1 results)