2006 Fiscal Year Annual Research Report
鉄二核錯体における配位子効果と集積化効果によるスピンクロスオーバー挙動の精密制御
Project/Area Number |
17350026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
海崎 純男 大阪大学, 理学研究科, 教授 (20089874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 知 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (10211864)
冬広 明 大阪大学, 理学研究科, 助手 (90156951)
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Keywords | 鉄(II)錯体 / 磁化率 / 配位子効果 / 集積化 / スピンクロスオーバー |
Research Abstract |
1.二段階スピンクロスオーバーが観測される4-phpy(NCBH_3)錯体の光誘起スピンクロスオーバーにおける緩和過程を、フランス・ベルサイユ大学のK.Boukheddaden博士によって測定され、Incubationを伴うものであることがわかり、これが中間点[HS-HS]【triple bond】[LS-LS]での共同効果と関連性していることが示唆された。 2.一次元鎖4,4'-bpy錯体高分子の合成とX線解析に成功して、これが、軸位にビピリジンが配位し二核錯体が架橋された一次元錯体であって、非常に大きな共同性が見られ、次元性制御が鉄-鉄間の共同性に大きな影響を与えることが明らかになった。 3.鉄:bpypz=5:6で形成されるヘリケート状五核錯体は、スピン状態が異なる二つのFe(II)サイトを有することを見いだした。すなわち、ヘリケート中央部にある酸素架橋三核クラスター部分[Fe_3O]^<4+>が高スピン、その上下に存在する鉄イオンが低スピンであった。なお、本研究以外に[Fe_3O]^<4+>クラスターが単離された例はなく、このような単純な錯体系において、不安定なクラスターが安定にトラップできることは錯体の反応性の点からも興味深い。さらに、五核ヘリケートのCVを測定したところ、多段階の酸化還元波を示した。X線結晶構造解析およびメスバウアースペクトルから、ヘリケートは、上下のトリス体ユニット([Fe^<II>(bpypz)_3]^-)のFe(II)とFe_3O^<4+>コア中に環境の異なる二種類のFe(II)を有することが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)