2007 Fiscal Year Annual Research Report
高速イオン伝導チャンネル機能を有するメソ多孔体シリカ充填高分子固体イオニクス材料
Project/Area Number |
17350103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淺井 茂雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80212463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 洋一 東京農工大学, 大学院・共生科学研究院, 講師 (30323786)
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Keywords | イオン伝導性高分子 / 高分子固体電解質 / メソ多孔体シリカ |
Research Abstract |
イオン伝導性高分子とリチウム(Li)塩からなる高分子固体電解質フィルムに対し、メソ多孔体シリカ(MPS)の充填が複合系の構造、イオン伝導度(σ)及び基礎物性に及ぼす影響を検討した。 MPS、MPSのSi骨格を他の原子に変えた多孔体であるメソポーラスジルコニア(MPZ)、及びイオン液体をMPSの細孔に挿入して作製したイオン液体(IL)修飾メソ多孔体シリカ(IL-MPS)を作製し、小角X線散乱により細孔構造の解析を行った。そして、これらの多孔質材料をフィラーとし、結晶性のポリエーテルであるポリエチレンオキシド(PEO)や非晶性のポリエーテルであるポリオリゴオキシエチレンメタクリレート(PMEO)のマトリックス中に分散させて、様々な組成のポリエーテル/リチウム塩/メソ多孔体複合フィルムを作製した。これらのフィルムについて、フィラーの分散状態の解析、電気特性の評価、熱分析などを行った。 また、ポリエーテルとアクリロニトリルーブタジエン共重合体(NBR)とのブレンドを高分子マトリックスとしてイオン伝導性高分子複合材料を作製し、その構造とイオン伝導特性を評価した。この複合フィルムのイオン伝導度は、半導電領域の値を示すとともに、湿度による変化が小さく、新たなイオン伝導性高分子材料としての可能性があると思われる。 さらに、MPSの表面及び細孔内をスルホン化処理し、スルホン化処理MPS(Su-MPS)を作製した。Su-MPSとナフィオン(Nafion)との複合膜を作製し、その構造及びプロトン伝導特性を評価した。Nafion膜単体では70℃を最大にしてプロトン伝導度が減少するのに対し、MPSi及びSu-MPSを充填した複合膜では、80℃においてプロトン伝導度が最も高い値を示した。これはMPSの高い吸水性のために、高温での水脱着が抑制されたためであると考えられる。
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Research Products
(5 results)