2006 Fiscal Year Annual Research Report
気液相変化理論に基づくナノ・ミクロスケール乾燥モデルの構築と新規乾燥技術開発
Project/Area Number |
17360099
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴田 隆治 九州工業大学, 工学部, 教授 (30172068)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長山 暁子 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60370029)
谷川 洋文 九州工業大学, 工学部, 助手 (80197524)
|
Keywords | 気液相変化 / 乾燥 / 分子動力学 / 三相界面 / マイクロ波減圧乾燥 / 濡れ性 / 凝縮係数 |
Research Abstract |
被乾燥物を加熱昇温する温風乾燥や逆に冷却する凍結乾燥とは異なり,加熱や冷却のためのエネルギーを一切使わず,常温下で蒸発潜熱のみを供給し,高品位で高効率な乾燥を可能とする新規乾燥技術を開発するための研究を行った.その方法として,マイクロ波常温乾燥技術を新たに開発し,その有効性を示した.すなわち,減圧環境下においてマイクロ波を間欠的に照射し,被乾燥物の温度制御を行なうことによって蒸発潜熱のみの供給が可能であり,高品位な乾燥を実現できることを示した.同時に,被乾燥物内部に存在するマイクロチャンネル内における気液相変化と水分輸送を考慮し,海産物の場合には気液界面抵抗が無視でき,チャンネル内の粘性抵抗が支配的であることを明らかにした.一方,乾燥に係わる固体面上の液膜についてのナノスケールの輸送現象を明らかにするために,非平衡分子動力学シミュレーションによる解析を行ない,チャンネル壁における付着水の濡れ挙動を検討した.この分子動力学解析により,固体面上の微細構造によって液体の濡れ挙動が変化し,接触角の変化によって液膜の蒸発挙動に変化が生じること,および接触角と表面粗さとの関係を示す相関式が得られた.さらには,凝縮係数の実験測定を行なうための実験システムを構築した.当初は,液柱ジェットの蒸発実験を考えたが,計測の安定性を考慮した結果,滴状凝縮法によって気液界面の熱伝達率を測定し,その値から凝縮係数を評価することが最善であることがわかった.その実験システムが完成したことにより,精度良い凝縮係数の測定・評価が可能となった.
|
Research Products
(6 results)