Research Abstract |
本研究では,最近毎年のように生じ,異常とも感じられる洪水,渇水の増加や,その地域分布が,21世紀の"温暖化"下での洪水,渇水の変化の予測とすでに軌を一にしているかどうかを,全球規模,大陸規模で判定する。その上で,全球規模での21世紀の洪水,渇水変動の見通しを示すことを目的とした。データとしてはMIROC高解像度のものを主として用いた。 本年度は,過去10-20年および,将来20-30年以内の変化に重点を置き,それそばれに対してモンテカルロ手法,ガンベル分布のPPPCテストなどを適用することによって,統計的有意性を含めた形での洪水,渇水変化の検出を行った。最終的なアウトプットとしては,過去10-20年,近未来,21世紀のそれぞれにおいて洪水,渇水変化が有意であるか,100年に一度程度の洪水,渇水が何年に一度程度生じるかを世界地図の形で示すことができた。世界のいくつかの地域では,洪水,渇水が両方とも激しくなることが示された。また,どういう地域でどういう理由で変化が大きくなるかの物理的メカニズムも検討した。また,これまで通り,必要なモデルの改良は随時行った。たとえば,雪モデルの相互比較実験に参加し,当該コンポーネントの改良を図った。
|