2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390100
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
遠藤 文夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (00176801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲郎 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60112405)
中村 公俊 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30336234)
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Keywords | アポトーシス / 発癌 / 細胞移植 / 幹細胞 / 内胚葉 / DNAチップ / 遺伝性疾患 |
Research Abstract |
内胚葉系幹細胞の分離同定の方法を開発する研究においては、当初の予定通り、熊本大学附属病院において手術の際に唾液腺を切除する患者から、インフォームドコンセントをえて協力していただき、ヒト唾液腺からの幹細胞の分離を試みた。その結果、肝臓細胞へ分化可能な細胞の採取方法を確立した(Okumura, Endo et al投稿中)。この方法では集塊培養法を利用し、ヒト唾液腺から高い効率で高度に純化された細胞をうることが出来た。細胞表面マーカーを検索したところ、げっ歯類およびブタ唾液腺から得られた内胚葉系幹細胞ときわめて類似していた。 培養した内胚葉細胞の肝臓・膵臓への効率的な分化誘導を可能にする方法の開発においては当初の予定通り、17年度の研究においてブタ唾液腺から新規の未熟な細胞の分離に成功した。この細胞は付着せずに分散培養で増殖する点でこれまでの幹細胞とは大きく異なり、細胞で発現する遺伝子の解析においても未熟な内胚葉系細胞であることが確認された(Matsumoto, Endo et al.投稿中)。この未熟な細胞は特殊な条件下で未熟性を維持したままに増殖することが可能であることも判明した。この方法の開発によって少数の幹細胞を内胚葉系への分化能を維持したまま単一クローンを得ることにも成功した。 疾患モデルと治療モデルの開発においては、17年度の研究において、ヒト細胞が移植可能な免疫不全マウスに対してヒト幹細胞の移植の予備的研究を行った。その結果、ヒト唾液腺由来内胚葉系幹細胞はマウス肝臓で増殖可能であることが判明した。さらに、ここで増殖した細胞は成熟肝臓細胞へ分化していた。この方法によって人から得られた幹細胞が肝臓細胞への分化能を完全に有していることも証明できた。 以上の結果から、17年度の研究においては当初予定していた研究からさらに進んだ成果を達成することが出来た。
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Research Products
(2 results)