2006 Fiscal Year Annual Research Report
再呼吸検証数式モデルを用いた乳児寝具環境の客観的評価の試み
Project/Area Number |
17390198
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
舟山 眞人 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40190128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金武 潤 東北大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90326661)
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Keywords | 乳幼児突然死 / うつ伏せ寝 / 再呼吸 / 人形実験 / 吸気酸素濃度 |
Research Abstract |
うつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群の主要なリスクファクターとしてよく知られており、この原因仮説の一つに再呼吸がある。本研究は、人形実験システムと数学的解析により、再呼吸現象を定量的に評価しようという試みである。 再呼吸を起こす環境下での二酸化炭素濃度の変化はCがFico2の最大値、DがFico2の上昇速度としてFiCO2=C(1-e^<D1>)という式に従うと予測され、人形実験システムではこの予測が成立することが前年度の報告に示されている。しかしながら、単純な二酸化炭素濃度の上昇のみでは死因を説明するのに根拠が弱いという欠点があった。そこで、この解析を一歩進め、酸素濃度の予測を試みたところ、FiO2=0.21・FiCO2/RQ=0.21-C(1-e^<D1>)/RQという式に従うと予測された。ここで、RQは呼吸商を意味する。この変換法をこれまでに行なったシミュレーション結果に適用したところ、グラフの形状としてはFico2の変動とFiO2の変動はほぼ上下を反転させたものであることが示された。二酸化炭素濃度の変動を基にした予測値であることから、FiO2の最小値は寝具環境・呼吸条0.8とした場合、FiCO2が12%に蓄積することはFiO2が6%に減少することに相当する。この変動は長くとも5分程度で定常状態に達すると予測されることを併せ考えると、極めて短時問で致死的な環境が形成されることが示唆される。これは一部の乳児突然死に見られる短時間での死亡をも説明し得るものである。 もちろんこれはシミュレーレンの域を出ず、吸気酸素濃度の変動を実証するには動物実験が待たれるが、少なくとも再呼吸が致死的レベルの酸素濃度の低下をもたらし得る可能性が今回の試みによって示された。
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Research Products
(1 results)