2006 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー調節因子からみた習慣飲酒形成機序の神経薬理学的研究
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17390203
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉本 寛司 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (70111903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 正博 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60305604)
西村 陽 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (00360040)
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Keywords | 脱共役蛋白質 / UCP / アルコール / 習慣飲酒 |
Research Abstract |
脱共役蛋白質uncoupling protein (UCP)は、代謝的熱産生の特異的部位である褐色脂肪細胞(BAT)のミトコンドリア内膜に存在する膜蛋白質である。ATP産生を介することなく、エネルギー散逸を行う。ヒトでは熱産生のみでなく、摂食行動に関与する肥満のターゲット分子として注目されている。前年、マウス(ICR)にアルコールを投与し、経時的にそのBATUCPmRNA発現を測定し、2峰性の変化を報告した。【方法】8wks近交系雄マウス(C57BL/6J, C3H/HeJ, DBA/2J)に、アルコール2.Og/kg腹腔投与し、0,1,8,16時間後のBATUCPmRNA発現をリアルタイムPCRにより定量した。(C7BL/6Jは、高いアルコール嗜好性を示し、C3H/HeJ, DBA/2Jは低いアルコv-…ル嗜好性を示すYoshimoto and Komura,1987)。【成績】生理的条件下における3近交系マウスのUCPmRNA発現について、C57BL/6J系マウスが最も低い発現量を示した。アルコール腹腔投与後のUCPmRNA発現変化では、C3H/HeJは8時間後、DBA/2J系は、1,8時間後に有意な減少を示した。しかし、c57BL/6J系マウスにおいては、2g/kg i.p.アルコール投与において、UCPmRNA発現に変化は認められなかった。【結語】遺伝的に異なるアルコール嗜好性を示す近交系マウスは、アルコール感受性と相関するUCP発現変化を認めた。自律神経系を介するアルコール行動と食行動制御の関連性が示唆された。
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Research Products
(6 results)