2006 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光断層イメージングを用いた新生児脳血液量や酸素化状態の測定に関する研究
Project/Area Number |
17390307
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
日下 隆 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50274288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 幸生 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10334583)
谷川 ゆかり (独)産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (20344202)
西田 智子 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (00243759)
難波 正則 香川大学, 医学部, 助手 (90237636)
大久保 賢介 香川大学, 医学部, 助手 (80335851)
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Keywords | 拡散光トモグラフィ / 低炭酸ガス血症 / 低出生体重児 / 脳内血液量 / 脳内ヘモグロビン酸素飽和度 / 近赤外光 / 吸収係数 / 散乱係数 |
Research Abstract |
本研究はこの拡散光トモグラフィ技術を低出生体重児(早産児)を対象とした脳画像診断技術に活用することを目標とし,臨床応用への基礎的知見を得ることを目的とした.このため、近赤外光断層イメージングシステムを香川大学医学部附属病院総合周産期母子医療センターに搬送、設置し、調整を行った。そしてベットサイドで新生児が測定可能な新生児専用のファイバーとファイバー固定支具の開発を行い、ファントムと早産児の測定を行った.研究期間中に早産児は7名、計10回の測定を行い、安静時と低炭酸ガス血症、酸素投与時の血液量およびヘモグロビン酸素飽和度を測定した. 解析に際しては、生体組織の1点に照射された光は強く散乱される結果,拡散的に伝播し組織表面の多くの点で同時に光強度を計測することができる.画像再構成のアルゴリズムは基本的に順・逆計算に基づく逆問題である.はじめに生体組織中の光学特性値である吸収係数μa(r)および換算散乱係数μs'(r)の初期分布を仮定し,光伝播モデルに基づき順問題計算を行なう.各々の検出点での光強度の計算結果は測定結果と比較され,それらが一致していたなら,仮定した光学特性値分布が解であると考える.もし,一致しなければ誤差に基づきμa(r),μs'(r)分布を仮定しなおし,再び順問題計算を行なう.このプロセスは計算結果と測定結果の誤差が許容値以下になるまで繰り返し行なわれる. この結果、測定に際しての少しの体動による微妙なファイバーのずれが、測定値に大きく影響することが判明した。しかし、安定して測定可能であった低出生体重児症例に関しては、頭部の血液量およびヘモグロビン酸素飽和度の断層画像を取得し,脳内における血液量およびヘモグロビン酸素飽和度の変化を確認した。特に低炭酸ガス血症においては、脳室周囲の領域に血液量が減少することが、世界で始めて確認された.今後、更なるデータの詳細な解析予定である.
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Research Products
(3 results)