2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390404
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
倉津 純一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20145296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20231798)
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30359963)
牧野 敬史 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (90381011)
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Keywords | グリオーマ / MCP-1 / CCR-2 / HO-1 / CCR-2阻害剤 / PEG-Zn-PP / ビリルビン / ナノテクノロジー |
Research Abstract |
今回の研究において我々が目指しているものは、悪性グリオーマに対する新しい治療法の開発であるが、着目している分子としてはマクロファージの遊走因子であるMCP-1、その受容体であるCCR-2とグリオーマ細胞から産生されるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)である。 MCP-1/CCR-2に関しては、MCP-1高発現のグリオーマ細胞株を既に樹立しており、この細胞株を用いたin vivoの実験を行っている。ラット脳内にMCP-1高発現のグリオーマ細胞株を植え込み、コントロールと比べてマクロファージの浸潤を組織学的に確認した。MCP-1の受容体であるCCR-2の阻害剤を投与することによってマクロファージの浸潤、並びにマクロファージ由来の血管新生作用を抑制することにより、腫瘍縮小効果を期待しており、これに関してはCCR-2の投与方法、阻害剤の腫瘍局所での濃度などの条件を検討中である。もうひとつのターゲット分子であるHO-1に関しては、C57/BL-6マウスの皮下にcolon-38(マウス大腸癌株)を植え込み、マウスの尾静脈よりHO-1の阻害剤であるPEG-Zn-PPを注入し、組織学的にHO-1の発現を検討したところ、腫瘍内での発現は生食を注入したコントロールと比較して同じであるが、HO-1の活性を組織内ビリルビンを測定することによって同じように比較したところ、PEG-Zn-PP群で明らかにHO-1活性が抑制されていた。 現在、この腫瘍内HO-1活性の抑制が腫瘍抑制効果があるかどうかを検討中であるが、最適条件を確立したところで、ラットグリオーマモデルでの実験を開始したいと考えている。薬剤の中枢神経系への投与に関しては、血液脳関門をうまく通過でき、できるだけ長く腫瘍内濃度を保てるようなナノテクノロジーの実験も平行して行っている。
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Research Products
(6 results)