2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390404
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
倉津 純一 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (20145296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (20231798)
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (30359963)
牧野 敬史 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (90381011)
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Keywords | 悪性グリオーマ / MCP-1 / 薬剤抵抗性 / 血液脳関門 / ナノテクノロジー / MGMT / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
我々は、マクロファージ遊走因子であるMCP-1がグリオーマ細胞に高発現していることに着目し、それを利用した悪性グリオーマに対する新しい治療法の開発に取り組んできた。また、平成18年度は、それと平行して薬剤の中枢神経系への投与に関して、血液脳関門を易通過性で、高い腫瘍内濃度を得るためのナノテクノロジーを用いたDDSの実験も行ってきた。しかし、グリオーマ細胞自身の薬剤感受性も重要である。O^6-メチル化DNA修復酵素であるMGMTは、グリオーマの薬剤耐性に関与しており、我々は、熊本大学脳神経外科脳腫瘍バンクに保存されている悪性グリオーマのMGMTのプロモーターのメチル化とMGMTのグリオーマ細胞の発現を免疫組織学的に検討し、その関連を解析した。しかし、グリオーマの薬剤抵抗性の有無をMGMTという分子だけでは説明できないという結果を得、他のグリオーマにおける薬剤抵抗性のメカニズムの存在が示唆された。近年、グリオーマの薬剤抵抗性の一つのメカニズムとしてグリオーマ癌幹細胞の存在が提唱され、細胞周期が遅いためにほとんどの化学療法剤において抵抗性を示し、更に放射線感受性も低いといわれている。我々はこのことに注目し、新たな試みとしてグリオーマ症例の癌幹細胞の継代培謎をおこなったところ、いくつか細胞株において癌幹細胞と思われる細胞の樹立に成功した。 今後は、グリオーマにおける旭幹細胞の治療抵抗性への関与に関しての実験を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)