2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390404
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
倉津 純一 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20145296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20231798)
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (30359963)
牧野 敬史 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (90381011)
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Keywords | 悪性グリオーマ / MCP-1 / IL-6 / グリオーマ癌幹細胞 / 薬剤抵抗性 / 分子標的治療 / ナノテクノロジー / 血液脳関門 |
Research Abstract |
我々は、グリオーマの多種多様な病態を解明し、それに基づく治療戦略を企てるために、様々な方向からアブローチをおこなってきた。具体的には、グリオーマ細胞に高発現しているサイトカインの同定とそれらが関与している病態、グリオーマにおける癌幹細胞の機能解析および治療抵抗性のメカニズムの解明、グリオーマ細胞の薬剤耐性に関与する分子の遺伝学的同定と機能解析を柱として研究を進めてきた。グリオーマ細胞の増殖、浸潤のオニトクラインループに寄与しているサイトカインとしては、MCP-1、IL-6に着目し、どのようなメカズムが関与しているかを解明するいくつかの新しい知見を得ることが出来た。これらをブロックすることでグリオーマ細胞の増殖、浸潤をおさえることが出来ると考えており、今後、いかに臨床応用に結びつけるかが課題である。グリオーマにおける癌幹細胞の研究としては、我々が、グリオーマ患者の腫瘍から樹立した癌幹細胞がマウスへの移植実験において十分な腫瘍形成能を持つことを確認しており、グリオーマ癌幹細胞の持つ性質、特に治療抵抗性のメカニズムを解析している。グリオーマの薬剤耐性においてはプロテオミクスを使い、分子遺伝学的アプローチにて多くの関連分子の同定が出来ており、今後は分子標的治療のターゲットとなり得る分子へ絞込みを行っている。今後は、これらの基礎的な知見をもとに、さらに平成17年からすすめている薬剤の血液脳関門易通過性で高い腫瘍内濃度を得るためのナノテクノロジーの臨床応用などを加えて、最も有効なグリオーマの新しい治療法の構築を目指していく予定である。
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Research Products
(13 results)