2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオベンチャーの知的財産戦略とリアルオプション分析に関する実証研究
Project/Area Number |
17402027
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
藤原 孝男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (70173490)
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Keywords | バイオベンチャー / 知的財産権 / リアルオプション分析(ROA) / デスバレー |
Research Abstract |
3年間プロジェクトの初年度である今年度は、ソウル大学発ベンチャーのViroMed、インド・バンガロールのBiocon、米国フィラデルフィアの大学発ベンチャーのImmune Control、民間発国際的バイオベンチャーのCytokine Pharma Sciences、サンフランシスコ・ベイエリアのJazz Pharmaceuticals, Threshold Pharmaceuticals、IntraCellular Diagnostics、バイオ産業データベース企業BioCenturyへの訪問調査、UC BerkeleyのProf.W.Adams、San Jose State Univ.のProf.B.Dean、San Francisco State Univ.のProf.D.Geとの面会、Stanford Office of Technology Licensingへの訪問調査などをそれぞれ行なった。また、国際会議では、他国の研究者との情報交換ができた。これらの予備調査は、研究の方向感覚を確認する上で大変役立った。 バイオベンチャーの中でも創薬型ベンチャーは、新薬承認までの期間・投資金額の必要な大きさに対して、資源制約からデスバレーに直面する可能性が高い。特に画期的なプロジェクトほど、デスバレー直面による負のNPVに至る投資になる可能性が高いが、リアルオプション分析・同関連ソフトの使用によって、一定の範囲内で、一点推定法・シミュレーションによって、NPVを正に変換し、標準偏差も減少できることを示した。現行のGAAPでは、B/S上での資産に特許の知的財産価値を計上できないことから、オプションとしての特許の価値をROAによって測定できる可能性が出てきた。但し、技術は用途市場によって価値が大きく変動することから、販売予測の精度向上が今後の課題と考えられる。 研究成果の中間報告として、国際会議では2005年5月には、韓国ソウルでのICGBEDにおける報告、同年7月におけるインドIIT Delhi Dept. of Management Studiesでのセミナー、同年8月の米国ポートランドでのPICMET'05における報告、同年10月の研究・技術計画学会(政策研究大学院大学)での報告、同年12月のインドIIT DelhiでのICPQRにおける報告、を各行なった。論文発表としては、日本経営学会編『経営学論集75集:日本企業再生の課題』千倉書房(2005年9月1日)、『日本中主企業学会論集24:中小企業と知的財産』同友館(2005年6月30日)にて、また、口頭による発表としては、Takao Fujiwara, "Quality Improvement of Health Care Service and Survival of Biotech Start-ups", Research Workshop of ICGBED, AIT, Thailand, Jan.5,2006 (by Invitation)と、Takao Fujiwara, Selected Issues of R&D : A Case of Hokkaido Biotech Cluster, Depart. Of Management Studies, IIT, Delhi, July 22,2005などがある。
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Research Products
(8 results)