2007 Fiscal Year Annual Research Report
人間の知覚特性を利用した簡易触覚呈示による共有仮想環境での作業支援
Project/Area Number |
17500057
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤田 欣也 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (30209051)
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Keywords | バーチャルリアリティ / 力覚 / 作業効率 / 共同作業 |
Research Abstract |
多指で直接仮想物体を操作する作業は物体からの反力の知覚に大きく依存するため,力覚提示機能を有する仮想環境に関する多くの研究が行われている.しかし,力覚提示システムには,装置の大型化と環境構築の負担の問題点がある.本研究では,擬似的な小型反力提示装置と汎用物理シミュレータOpenDynamicsEngine (ODE)を接続することで,手軽に実現可能な多指での擬似反力提示システムを開発した. 擬似反力提示装置は,ギアモータによってベルトを巻き取ることで指先を圧迫し,擬似的な反力を提示した.また,指先と仮想環内での指先モデルをバネダンパによって接続するバーチャルカップリングによって,計測した指先位置とODEおよび擬似反力提示装置を統合した. ここで,擬似反力提示は仮想物体への侵入を阻止することができないため,計算上,膨大な反力が生じる.そこで,安定した操作性と明瞭な力覚提示の両方を満たすために,プロキシに働く操作力の計算用と擬似反力提示装置によって提示される提示力計算用にVCを分割した.提示力計算では,把持物体と他物体との二次干渉を明瞭に認知できることが重要と考え,干渉時に侵入量の比例成分に微分成分を加える力変化強調法を考案した. 被験者を用いて把持と物体移動のタスクを実施し,把持作業と設置作業の両面において,擬似反力提示による現実感と作業しやすさの主観的向上と,侵入量の抑制効果を確認した.さらに設置作業に要する作業時間の減少が確認され,擬似反力提示が感覚と認知の両面で作業を支援可能であることが確認された.
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Research Products
(3 results)