2006 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん焦点部における微小形成不全の診断基準策定のための神経病理学的解析
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17500245
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
新井 信隆 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (10167984)
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Keywords | 難治性てんかん / 微小形成不全 / 脳形成異常 / 機能的脳外科手術 / 神経細胞移動障害 / 外科病理 |
Research Abstract |
申請者の部門内に所蔵しているヒト剖検脳パラフィンブロック(全1800例)のうち、代表的な神経疾患の疾患群を選定し、上中下の前頭回、上中下の側頭回、中心前回、中心後回、島回、海馬、海馬傍回、後頭側頭回、後頭葉脳回などの検索対象を標本化してきているところである。昨年度は、微小形成不全の各種の表現型の候補、superficial hypermyelination、subpial neuron、persistent granule cellが出現することの病的な意義を検証したが、本年度は、以下の神経系モロクローナル抗体を用いた免疫染色により、それらの病変が出現している場合の神経ネットワークの変化について基礎データを収集した:神経細胞系細胞骨格(neurofilament microtubule, microtubule-associated plotein)、グリア細胞系細胞骨格(GFAP、vimendn)、カルシウム結合蛋白含有ニューロン指標(calbindin、parvalbumin, calretinin)、GABA作動ニューロン指標(GAD)およびphosphoryaltedtau, ubiquitin, synuclerin、synaptophysin、NMDAR-1、Muscarinic acetylcholine receptor、A2B2、FGF basic、adrenergic receptor、myelin-associated glyooprotein。その結果、大脳白質においては髄鞘、軸索の蛋白成分の表出に有意な差異を認めなかった。ニューロンマーカーで表出される異所性神経細胞の出現も正常対照と有意な差はなかった。一方、大脳皮質においては、カルシウム結合蛋白で免疫組織学的にラベルされる神経細胞の数の減少を半定量的な解析で認めた。これは同病変におけるニューロンネットワークのバランスの異常を反映したものと推定された。
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[Journal Article] A case of Sturge-Weber syndrome with severe temper tantrum, 34(8)2006
Author(s)
Utsunomiya, T., Shimizu, H., Sunaga, S., Sugano, H., Arai, N.
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Journal Title
No Shinkei Geka 34(8)
Pages: 819-824
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