2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全に配慮した衣生活様式を推進するための環境学習プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
17500503
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
與倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (50165784)
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Keywords | 衣生活 / 環境教育 / 寝具 / 紫外線 |
Research Abstract |
本研究は環境問題に配慮した衣生活様式を支援、推進するための環境学習プログラムの開発を目標とする。本年度は環境学習の具体的題材として「繊維製品のマテリアルリサイクル」「紫外線遮蔽繊維製品の有効利用と健康な衣生活」を取り上げ、以下の成果が得られた。 1.繊維製品のマテリアルリサイクル:繊維製品としての寝具の消費に着目し、自治体、寝具生産・販売者、消費者(大学生)を対象として寝具の廃棄とリサイクルに関する実態調査を行った。廃棄寝具の回収方法は自治体によって異なり、大学生は寝具の廃棄に関心が低いため、回収方法に関する啓蒙活動の必要性が示唆された。寝具販社で取り組まれている"打ち直し"は、再利用の方法として有効であることが捉えられた。また、リサイクル製品の開発のために、枕の熱移動特性と温熱的快適性の関係を評価した。枕の放熱量や枕充填材料の熱伝導率が大きいほど涼しいと評価され、使用中の頭部-枕間の温度が低くなる傾向が示された。夏季に寝心地の良い枕充填材料の特性の範囲を捉え、枕の性能設計に関する基礎データを得た。 2.紫外線遮蔽繊維製品の有効利用と健康な衣生活:幅広い年齢層の352名について紫外線に関する意識調査を行った。有害紫外線の人体への影響は知っているが、それを軽視して対策を行ない傾向が男性に多くみられ、環境学習の必要性が示唆された。また、簡易型紫外線強度計を用いて布の紫外線遮蔽性を評価した。簡易機器を用いても、布の織密度や染色濃度が高いほど紫外線遮蔽性が高い傾向が評価された。さらに、紫外線測定実験を学習内容に応用して、中学生を対象とした紫外線に関する環境学習教材を提案した。附属中学二年生に布の紫外線測定実験を導入した授業実践を行ない、その有用性を確認した。
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Research Products
(3 results)