2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能水及び天然由来の洗剤成分を活用した環境負荷の少ない洗浄方法の検討
Project/Area Number |
17500520
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
尾畑 納子 富山国際大学, 地域学部, 教授 (60201406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 宣彰 富山国際大学, 地域学部, 教授 (80249101)
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Keywords | 機能水 / 湿式人工汚染布 / 酵素 / 涜浄力試験機 / 農薬 / 接触角 / アルカリ水 / 再汚染性 |
Research Abstract |
本研究は環境に負荷を掛けない洗浄方法について、特に洗浄水に着目して効果的な除去システムについて検討を行っている。平成17年度は、機能水を洗浄水とした実用的な視点から洗浄性を調べた。結果は、以下の通りである。 (1)湿式人工汚染布を用いた場合の各種機能水の洗浄性 ・洗浄力試験機(tergot-o-meter)により、洗浄温度20℃、40℃の場合の洗浄性能を比較したところ、アルカリ電解水洗浄水(pH11.5)、酵素を添加したアルカリ電解水で洗浄性、通常の水道水などを比較したところ、20℃では単なる水道水やイオン交換水に比べて、いずれのアルカリ電解水も著しい除去効果が認められた。また、再汚染性については、逆にアルカリ電解水では再汚染率が上昇する傾向が認められた。 ・洗浄性におよぼす機械力の影響を見るため洗浄力試機の回転数を40、80、120、160r.p.m.と変化させて調べた。洗浄性は、回転数の増加、すなわち機械力の負荷が大きくなるといずれの洗浄液の場合も概して除去性が向上する。これに対して、再汚染率は洗浄効果の見られたアルカリ電解水や酵素入りアルカリ電解水では、回転数が120r.p.m.で最も汚染が高くなることがわかった。 ・40℃での洗浄性は、20℃に比べていずれの洗浄液においても除去性がやや低下することがわかった。これらの傾向と機械力の強度とは相関は認められなかった。40℃での低下現象を示す一因として再汚染率の上昇が考えられる。また、この再汚染率は機械強度が高くなるほど上昇することもわかった。以上から、今回の試験では20℃で酵素を添加したアルカリ洗浄液中ではエネルギーを掛けずに除去効果を示すことがわかった。 (2)油溶性農薬汚れとアルカリ電解水の洗浄性 ・除去性に関して、綿、ナイロン、ポリエステル、ウールの各繊維をサリチオン農薬で汚染した後アルカリ電解水やメタノールで洗浄した結果、農薬の付着量は4種類の繊維の中では、作業服としてよく使用されるポリエステル布が最も付着量が少なかった。しかし、洗浄性では、いずれの条件においても綿はよく落ち、ポリエステル繊維では微量の付着に対して除去性が悪かった。特にSDSのような界面活性剤は繊維への分散浸透化が進み脱落に影響がおよぼしたと考えられる。 ・汚染布への洗浄液の接触角を測定した結果、綿ではいずれの洗浄液においても浸透性がよく接触角を測定できなかったが、ナイロンやポリエステルでは除去性の高い洗浄液ほど接触角が低下し、洗浄性と接触角との間によい相関が得られた。
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Research Products
(1 results)