2006 Fiscal Year Annual Research Report
「親育ち」への支援と子育て支援(特に相談・助言)力を高める保育者養成方法の開発
Project/Area Number |
17500527
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Research Institution | SOAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中西 利恵 相愛大学, 人間発達学部, 准教授 (60237328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 雅人 湊川短期大学, 幼児教育保育学科, 教授 (00194308)
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Keywords | 子育て支援 / 保育者養成 / 学習環境 / 教育方法 / コミュニケーション力 / 親支援 / 発達 |
Research Abstract |
本研究では、今求められてい子育て支援(特に子育てに関する相談や助言)の役割が果たせる保育者の養成方法と、親になった人の「親育ち」への支援の方法を開発するため、新しい学習環境と保育者養成プログラム、親支援のプログラムを示すことにある。本年度は、平成17年度に試行した実践結果を踏まえ、本格的な実践を行い教育成果の測定を行った。学習環境ならびに実践プログラムの改善と本格的な実践を行った結果は以下の通りである。 1.個々の学生の活動のようす(映像)から特に新しい学習環境が活用された場面と、学習シート(実践活動についての自己評価)の分析から教育効果について検証した結果、今回開発した学習環境(隣室から学習者の実践のようすをモニターしながら、適切でタイムリーなアドバイスが行える)は、親とのコミュニケーション力(特に親と対話する力)を養うための初期の段階において、教育効果を高めることが示唆された。 2.実践プログラムの改善としては、(1)活動の展開方法として(1)学生主導型、(2)教員や子育て支援スタッフ主導型、(3)ノンプログラム型(自由に遊ぶ)の3種類を導入する。(2)親子の数は学生数より少なくする。(3)プログラムの中に単発で規模の大きな(参加者数の多い)活動を入れる。(4)後輩の学生を参画させる活動を入れる。以上4点を改善した結果、学生ならびに親の双方に学習の成果がうかがわれた。特に、学生には効果的であった。 3.さらに親支援を目的としたプログラムとして、開発した学習環境を活かし、親子が離れた状態で親に子どもの活動を観察してもらいながら、学生も同席して子どもの活動等について自由に討議するという実践を行った。この実践から、親が改めて子どもの成長や子どもとのかかわり方に気づき、今後の親子関係に良い影響を与える可能性が示唆された。 4.記録した実践の教材化の検討を行った。開発したシステムを活用し記録したビデオ映像を利用し、親とのかかわりにおいてとまどう学生の姿が成長するようすを編集し、「家族援助論」の子育て支援の分野で、また低年齢児とのかかわり場面は「乳児保育」の授業で活用する予定である。 以上、本研究の教育方法は、一人一人の学びの状況に合わせた指導が可能であり、さらに学生と親の双方にとってより具体的な学習が可能であることから、有効であると考える。
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Research Products
(5 results)