Research Abstract |
本研究の目的は,メタ認知能力を高める「考え方学習」を取り入れた情報モラル学習教材を開発し,授業実践を行い、有効性を検証し,遠隔教育対応の「情報モラル教材館」として広く学校現場へWeb公開することである。(1)小・中・高校生を対象として,メタ認知能力を高める「考え方学習」を取り入れたWebベースの情報モラル学習教材を開発した。(2)開発された情報モラル教材を,本研究の研究協力機関である滋賀県総合教育センターや小・中・高校で試行し,教材の有効性と改善点を検証した。試行結果をもとに改善し,全国の学校現場から,本システムを活用した遠隔教育対応の情報モラル学習教材の利用や授業実践の交流をはかった。(3)Web上の教材館では,情報モラル教材の他に,ティーチング・ポートフォリオをVODサーバに蓄積し,情報モラル指導の授業映像を視聴可能とし,授業実践が交流できるようにした。教材と授業実践の交流を図る遠隔教育対応のWebシステムを開発し,その有効性の実証評価を行った。具体的には大津市立藤尾小学校,湖南市立菩提寺北小学校,豊中市立庄内小学校,豊中市立豊東台小学校,大津市立南郷中学校,大津市立仰木中学校,大津市立瀬田北中学校,滋賀県立甲南高校,滋賀県立大津商業高校で授業実践を行い,情報モラル学習教材の効果測定を行った。その結果,考え方学習のアプローチを教材に埋め込んだ結果,児童・生徒の情報モラルに関わるジレンマ場面での判断基準を考えさせるきっかけを与え,主体的に判断しようとする態度の育成に効果が認められた。また,ティーチング・ポートフォリオをVODサーバに蓄積し,情報モラル指導の授業映像を視聴可能とし,授業実践が交流できるようにしたことにより,情報モラル指導時の児童・生徒の情報活用能力の変容をポートフォリオと動画で観察できるようになり,現職教員の授業リフレクションを支援することができた。
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