2006 Fiscal Year Annual Research Report
微小流路内における微小生体組織単体の操作・加工に関する研究
Project/Area Number |
17510112
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
谷川 民生 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (30357470)
|
Keywords | マイクロマニピュレーション / 力計測 / 細胞操作 / 加工 / 微小流路 |
Research Abstract |
微小流路といった閉空間の環境で物理的な加工を可能とするための,細胞特性評価システムおよび流路形状を利用した細胞の切断といった基礎的技術を確立した.細胞特性評価システムとしては,粗動電動ステージ,二本指マイクロハンド,ハンド先端に取り付けられた微小力センサにより構成され,細胞の機械的特性を計測することが可能となった.細胞の剛性特性を評価するため,通常の卵細胞とサイトカラシンにより細胞骨格を失わせた卵細胞との剛性比較を行い,その剛性に顕著に差が見られていることを確認した.さらに細胞剛性が失われたことで,弱い力でも細胞の切断できる可能性が見られたことで,微小流路の形状と内部の流れ制御により,細胞を引きちぎる方法への可能性が確認されることから,流路形状の設計および流れの制御で卵細胞を引きちぎる実験を行い,これにより引きちぎりによる切断が可能であることを確認した.今後は切断された細胞の生死における生物学的評価も含め,その特性評価を進めていく方向で検討していく.また,細胞単体を安定に流路内に挿入することは非常に困難であることから,ジョイント部の形状および細胞単体の導入方法の確立といった,計測,加工の前行程における周辺技術の確立を行った.具体的にはジョイント部の形状については,液流のよどみが発生する場合,その近辺に細胞が捕捉され,流路内に安定に導入する確立が低くなることから,よどみの発生を抑える流路設計について検討した.さらに,流路内に空気が入ることにより,その空気層と液体との界面でも同様に細胞が捕捉されてしまうことから,空気の混入を防ぎながら細胞を導入する方法について検討し,実験により有効性を確認した.
|
Research Products
(1 results)