2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520523
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
須田 勉 国士館大学, 文学部, 教授 (30276448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 郁夫 帝塚山大学, 人文科学部, 教授 (50000477)
亀田 修一 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (10140485)
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Keywords | 考古学 / 古代寺院 / 国分寺 |
Research Abstract |
国分寺の研究は、日本の古代史や仏教史を考えるうえで、欠くことのできない研究対象として、考古学や文献史学のうえで重要な位置づけがなされてきた。戦前では、個々の国分寺における考古学的研究成果を集大成した角田文衛編『国分寺の研究上・下』に基礎が据えられた。戦後は、井上薫氏の文献史学からの総合的研究である『奈良朝仏教史の研究』や、考古学的成果をもとに諸国国分寺の伽藍配置や堂塔の規模・規格性を強調した石田茂作氏の『東大寺と国分寺』があり、著しい進展をみせた。 こうして、国分寺研究の関心は、制度的側面から実態面での研究に移りつつあり、その点で、角田文衛編『新修国分寺の研究』全7巻は、現段階での国分寺研究の到達点ともいうべきものである。しかし、その内容には、今日的な考古学上の成果が十分生かされていない部分も認められ、石田茂作氏の研究以来、伽藍地内の伽藍配置や堂塔の規模、さらには、寺院の規格性や計画性が強調され、そうした画一的理解に対する疑問の解明は、いまだ不十分といわざるを得ない。 そうした研究上の遅滞をまねいている原因は、資料の膨大さにある。このため、本研究は、今後における研究上の至便さを考えて、遺構・遺物に関する個別の資料集成を実施する。すでに、30余国の国分寺についてまとめたが、平成19年度を含め全国的な集成を果たしたい。
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