2005 Fiscal Year Annual Research Report
移行経済における私的所有の生成メカニズムに関する比較研究
Project/Area Number |
17530204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
叶 剛 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (10333478)
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Keywords | 移行経済 / 所有制 / 私有企業 |
Research Abstract |
本年度にはまず移行経済関連の先行研究、特に漸進的移行型と急進的移行型の比較研究を重点において、資料をサーベイしました。そして、ロシア、ベトナム、中国の経済発展、産業・企業の変化に関する基礎的なデータを収集し、その一部のデータについて分析を行いました。移行期に入ってから、ロシアの経済パフォーマンスが中国、ベトナムとかなり違っているのが検出できました。産業構造の変化、企業所有の変化については、膨大なデータを収集しましたが、分析までに行きませんでした。来年度に完成させます。 データの収集について、叶剛はできるかぎり、日本において関連データを集めました。しかし、ベトナムに関するデータの一部を海外共同研究者(ベトナム経済貿易大学)にデータ収集の協力を要請せざるをえませんでした。 また、中国の一般市民に対して、私的所有制度、私的経済に関する意識や見方のアンケートを無作為に行いました。今回は、最も早く私有化が進んでいるといわれる温州市、北部の北京市と中部の重慶市にてアンケートの回収を海外共同研究者(温州市行政大学、北京大学、重慶大学)に依頼しました。18年1月末に、回収されたアンケートが日本に届きました。只今、整理しているところです。具体的な分析は来年度に譲ります。 移行経済の現状をよりよくわかるために、中国北京大学、温州市行政大学にて、またベトナムの経済貿易大学にて、現地の経済学者と学術交流を行いました。これらの交流を通じて、各国の移行経済の実態をよくわかるようになっただけでなく、移行経済についての視点、分析方法などに関する現地学者の知見を学ぶことができました。
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