2005 Fiscal Year Annual Research Report
専修学校を活用した「若者の自立・挑戦事業」導入に関する実証的研究
Project/Area Number |
17530623
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
原 清治 佛教大学, 教育学部, 教授 (20278469)
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Keywords | 若年無業者 / フリーター / ニート / 専修学校 / ジョブカフェ |
Research Abstract |
本年度の研究活動は大別すると以下の2点に集約できる。ひとつめが先行研究の分析とデータの収集であり、もうひとつが質問紙調査を作成し、予備調査の段階にまで準備を進めることである。 前者は本学大学院生を中心に「若年無業者について考える」研究会を立ち上げ、定期的にこの間のマスコミや新聞等で取り上げられたフリーター・ニート関係の記事をもとに、若年無業者がどのような社会的文脈で語られているのかについての議論を重ねた。そのなかでは、『「ニート」って言うな!』(本田由紀ほか、光文社新書2006)のようにニートの若者そのものが社会悪なのではなく、それを生成してきた社会の構造に問題があるとするものを一方の極にもち、また他方では「ニート脱出」(和田秀樹、扶桑社2005)にみられるように、ニートの若者たちに向けられる「自己責任論」があることを明確にした。 さらにこの間、日本型ニートの特質を明らかにするために、ニート先進国である英国やアメリカにおける若年無業者の形成プロセスに焦点をあてたデータの収集につとめた。その調査データについては、拙稿「日本型若年無業者と教育計画」『アジアの教育計画(下)』(山内乾史編著、学文社2006)に所収した通りである。 後者については、前述の研究会において若年無業者の構造的特質や生成過程に焦点をあてた質問紙を作成すべくワーディングのための作業を重ね、合わせて「ジョブカフェ」等を訪問して、そこでの若年無業者対策の実態や専修学校を利用した雇用対策の実態、ならびに効果をどのように測定するのかを盛り組むことができるよう実査を行った。その結果を数名の若年無業者に対するパイロットスタディや予備調査によって軌道修正しながら質問紙を作成した。 次年度に向けては、今回作製した質間紙調査を大規模に実施し、若年無業者の特質を計量的データによって明らかにするとともに、インタビュー調査の技法によって質的データを合わせて収集することとしたい。なお、日本教育社会学会などにおける発表も実施する予定である。
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Research Products
(2 results)