2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540026
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 裕史 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40192794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 雄二 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00135302)
中村 博昭 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60217883)
平野 康之 鳴門教育大学, 教育学部, 教授 (90144732)
田中 克己 岡山大学, アドミッションセンター, 助教授 (60207082)
池田 岳 岡山理科大学, 理学部, 講師 (40309539)
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Keywords | シューア函数 / 対称群 / アフィンリー環 |
Research Abstract |
今年度も対称群の表現論を非線型微分方程式系に応用することを念頭に置いて研究を続けた.具体的には前年度からの継続で,対称群のモジュラー表現論で重要な働きをするカルタン行列について詳しく調べた.2被約シューア函数をシューアの0函数で展開した時に現れる係数は非負整数であることが既に知られており,Stembridge係数と呼ばれているが,その表を行列の形に書いたものと,対称群の標数2のモジュラー表現論に現れる分解行列との類似性に気がついた.互いに「列基本変形」で移り合うことを証明し,単因子がカルタン行列のそれと一致することを見た.これに気を良くして,さらに対称函数の空間の「混合基底」を導入し,シューア函数をこの混合基底で展開した時の係数が整数になることを発見した.この基底は以前から「長方形のシューア函数」に付随して調べて来たアフィンリー環の表現論と密接に関係しており,私にとっては極めて自然な着想であった.この混合基底はこれからアフィンリー環の表現論や非線型微分方程式系で重要な意味を持ってくると思う.現在ではまだ標数2に対応する場合しか得られていないが一般の標数でも同様の混合基底の存在が期待される.その際,いわゆるブラウアー・シューア函数が登場するのではないか,と思っている.さて標数2の場合に戻る.シューア函数と混合基底,私は二つの基底の間の変換行列を問題にした.変換行列を自身の転置を掛け合わせることによりカルタン行列と類似の行列が登場するが,その行列式および単因子について,それらが2の羃になるという,非自明な結果を得た.その羃の出方については部分的な解答があるが,まだ完全な解決には至っていない.現在,共同研究者の水川裕司,青影一哉と共著の論文を準備中である.
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Research Products
(1 results)