2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷村 省吾 Kyoto University, 情報学研究科, 准教授 (90273482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 歩 大阪市立大学, 工学研究科, 講師 (90398412)
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90189019)
近藤 康 近畿大学, 理工学部, 准教授 (40330229)
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Keywords | デコヒーレンス / バンバン制御 / エンタングルメント / NMR / ENDOR / 緩和現象 |
Research Abstract |
谷村・中原・近藤は,量子計算機の正常な動作の妨げとなるデコヒーレンスの抑制について研究した.2ビット量子系のうちの1ビットを対象系,他の1ビットを環境系として扱い,環境ビットの状態をランダム化することにより,対象ビットにデコヒーレンスを発生させるという,人工環境デコヒーレンスの方法を開発し,NMR実験を行った.これによりデコヒーレンスの機構をよりよく理解することができた.また,人工環境デコヒーレンス系に,さらにバンバン制御と呼ばれる制御法を適用し,デコヒーレンスの抑制に関して,理論的に予測された通りの良好な結果を得た. 杉田は非平衡系の緩和現象について,平均的に傾きを持ったポテンシャル内を動く粒子の挙動をFockker-Planck方程式を用いて調べ,Kramersの崩壊則が定常流を持つ系にも拡張できることを示した. 中原は工位らと協力して電子・核共鳴実験(electron nuclear double resonance,ENDOR)においてエンタングルメント状態を作り,制御することに成功した.また,中原らは,電子と核のスピンが電磁場の揺らぎの影響を受けている系において,バンバン制御の有効性を数値シミュレーションで示した. 近藤は可逆な観測過程だけを用いて量子テレポーテーションを行うスキームを考案し,NMR実験において検証に成功した. 以上の成果は論文として発表した.
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Research Products
(25 results)