2005 Fiscal Year Annual Research Report
フルオロカーボンプラズマ下流での気相分子成長とその応用
Project/Area Number |
17540471
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古屋 謙治 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (70229128)
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Keywords | フルオロカーボン / プラズマ / 質量分析 / 気相成長 / 反応機構 / 薄膜 |
Research Abstract |
これまでAr/パーフルオロカーボン混合ガスプラズマ下流で得られている実験結果を元に、今年度は以下の研究を推進した。 (1)Ar/CF_4プラズマ下流で観測された種々の陽イオンの成長過程の解明 (2)Ar/CF_4/H_2およびAr/CHF_3混合ガスプラズマ下流における陽イオンと中性分子の質量分析実験 (3)Ar/CF_4/O_2混合ガスプラズマ下流における陽イオンと中性分子の質量分析実験 (4)Ar/C_4F_8プラズマ下流において堆積させた薄膜の物性評価 上記(1)においては、本科研費を使って大型計算機センター所有の高性能演算サーバを利用し、観測された種々の陽イオンの量子化学計算を行った。この結果と、観測された種々の陽イオンの強度分布を満足に説明できる速度論に基づく解析を通して、陽イオンの成長機構を解明した。この結果をJJAP誌に投稿し、受理された。 本科研費で追加購入したマスフローコントローラを使って3種のガスを混合した上記(2)、(3)の実験を行い、(2)では水素原子を偶数個含む中性分子や陽イオンが支配的に生成すること、(3)では、酸素原子を含まない質量数の大きな陽イオンが酸素混入量の増加に伴って急速に強度が減少するのに対し、酸素原子を含まない質量数の大きな中性分子は酸素混入の影響をほとんど受けないことを発見した。この事実は陽イオンの成長反応と中性分子のそれでは、反応物が全く異なることを示している。 上記(4)については、銀、アルミニウム、石英基板上に薄膜を作成し、X線光電子スペクトル測定および原子力間顕微鏡観察を行った。その結果、基板に応じて化学結合状態や膜の表面状態が大きく異なることを明らかにした。特に銀表面においては他の2種の基板とは表面構造が全く異なっており、100nm以下の膜厚であるにもかかわらず黄色く着色していた。他の2種の基板上で作成した薄膜は無色だった。X線光電子スペクトル測定結果については、雑誌「真空」に速報を投稿し、印刷中である。
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Research Products
(2 results)