2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560071
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
英 崇夫 徳島大学, 工学部, 教授 (20035637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 一也 徳島大学, 工学部, 助手 (70274256)
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Keywords | 薄膜 / ナノサイズ / ストレスマイグレーション / Cu薄膜 / Al薄膜 / 残留応力 / 熱応力 / 保護膜 |
Research Abstract |
マイクロマシンや電子部品の構成要素の基本になる蒸着薄膜の強度支配因子を探ることが本研究の目的である。 マイクロメートル以下の厚さの膜の応力挙動の観察のため、主としてSP ring-8のシンクロトロン放射光を利用して、ナノサイズ薄膜の応力測定の可能性の検証、応力測定の手法の確立、さらに加熱冷却過程における熱応力その場測定の手法の確立を研究してきた。 シリコン基板上にAl膜をスパッタリング法により蒸着し、その上に保護膜をかぶせた薄膜試料について、加熱冷却過程における膜の熱応力挙動をX線およびシンクロトロン放射光によりその場測定した。膜と基板の熱膨張係数の差により、書記残留応力は引張応力である。加熱により膜の応力は圧縮側に移行し、冷却により引張側に変化する。膜厚が1μmを超える膜では加熱過程と冷却過程において熱応力変化挙動はヒステリシスを描くが、膜厚が100nm以下になると熱応力挙動は温度変化とともに線形になり、しかもヒステリシスを描かないことを確認した。すなわち、膜厚が薄くなることにより、膜は塑性変形を起こさなくなり、弾性変形挙動を示す。 さらに、Cu薄膜について同様の実験を行っており、材料の違いによる膜応力の変化挙動の差を明らかにしようとしている。 また、加熱冷却に伴うストレスマイグレーションに基づく膜表面の組織変化を測定するため、顕微鏡用真空加熱装置を本研究補助金により購入し、Cu膜のストレスマイグレーション誘起のヒロックの観察を開始した。Cu膜厚および保護膜の厚さによるヒロック形成の挙動を観察することにより、膜厚依存の挙動を解明する予定である。
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