2005 Fiscal Year Annual Research Report
多成分系リチウム塩水溶液の沸騰伝熱機構とマランゴニ効果の発現
Project/Area Number |
17560192
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
鴨志田 隼司 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30052856)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健二郎 芝浦工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00026064)
庄司 正弘 産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 招聘研究員 (00011130)
川口 靖夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20356835)
|
Keywords | リチウム塩水溶液 / プール核沸騰 / 熱伝達特性 / 沸騰様相 / 溶液濃度 / 発泡点密度 / 離脱気泡径 / 無次元整理式 |
Research Abstract |
SOFC/μGTからの高温排ガスを有効利用する目的で三重効用吸収冷温水機の導入が検討されている.三重効用機器の開発には高性能な伝熱面や新吸収溶液の提案がなされているが必ずしも現状の問題点を打破するに至っていない.吸収溶液である臭化リチウム水溶液の沸騰伝熱特性はこれまでにも多くの研究例がある.しかしこれまでの研究は,高温再生器の熱的設計に必要な情報のみに着目しており,中熱流束から高熱流束(限界熱流束を含む)に至る各種濃度の多成分系リチウム塩類水溶液の沸騰物理に関する学術的かつ系統的な取組がなされていない.そこで本研究では,多成分系無機塩類水溶液を対象に,大気圧および加圧下での組成比と濃度を考慮した飽和プール核沸騰実験を行い,中熱流束の孤立泡域から高熱流束の合体泡域までの広い範囲の熱流束に対する沸騰挙動と沸騰素過程を実験的に把握し,その上で核沸騰域の伝熱特性,孤立泡域から合体泡域への遷移沸騰に対応した無次元整理式の作成を目的とした. ・本年度は沸騰伝熱特性に関する基本的な沸騰素過程を明らかにした.そこで,リチウム系塩類水溶液の沸騰様相と沸騰伝熱特性を支配する溶液濃度の効果,伝熱面性状の効果,熱流束の効果等に注目し,沸騰熱伝達特性と沸謄様相の相関関係を単塩の塩化リチウム水溶について明らかにした. ・さらに,塩化リチウム水溶液の沸騰熱伝達特性を無次元整理するために,塩化リチウム水溶液の発泡点密度の影響と代表長さの検討を行い,沸騰熱伝達特性を支配する無次元パラメーターを決定した.その結果,得られた無次元整理式は全ての濃度と熱流速に対し,気泡発生域から核沸騰の遷移域までの範囲において平均誤差±18.5%内で推算できることを明らかにした.
|
Research Products
(2 results)